「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

パートナーとの関係に 希望はありますか? (1)

2012年03月09日 19時54分48秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ボーダーラインは治療可能です。

 ただし 良くなっている人々全てに 共通することがあります。

 彼らが皆、 自分が 問題を抱えていると理解し、

 良くなりたいと望んでいることです。

 しかし  「ようこそオズへ」 の人たちの パートナーのほとんどが、

 自分に問題があることを 否定します。

 そもそもこの障害には、

 「自分に良くないところがある」 と 当人が自覚していない 傾向があります。

 ボーダーの人の考え方を、 無理やり改めさせようとしても うまくいきません。

 あなたは病気です, 障害があります, 治療が必要ですと 説得させようとしても、

 裏目に出てしまいます。

 ひどい言い争いになり、 ボーダーは皆さんの方だと 逆に言われるでしょう。

 人に何かをさせたり 感じさせたりするというのは、

 それ自体 きわめて難しいことです。

 人が何かをするのは、 自分にとって利益があるときです。

 一方、 不快なことは 避ける傾向があるのです。

 また、 自分の世界観を 裏付けるような情報は 耳に入れ、

 否定するような情報は 拒否する傾向もあります。

 皆さんの 「欠点」 に対する パートナーの見解も、 同じことがいえます。

 ボーダーラインは、 世界に対する 反応の仕方の障害で、

 その人の子供時代, 環境, 脳に原因がある 可能性が高いものです。

 (従って、 パートナーが治療を求めなくても、

 皆さんへの当てつけではありません。)

 否認ということこそ、 この障害を裏付けるものです。

 かえって 機能の高くない ボーダーの人のほうが、

 自分の不安や孤独の原因を 求めようとするかもしれません。

 適切な治療を受けることで、 良い結果を得られることがあるでしょう。

 彼らは彼らなりに、 できる限り問題に対処しようと 辛い経験をしてきているのです。

(次の記事に続く)

〔 「愛した人が BPDだった場合のアドバイス」
   星和書店 (ランディ・クリーガー) より 〕