「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害の 弁証法的行動療法 (7) (集団療法 5)

2008年07月27日 20時36分29秒 | BPDの治療について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55287176.html からの続き)

4.苦痛耐性スキル

 人生において、苦痛を完全に除去することは 不可能ですから、

 事実を受け入れ、自分を変えていく 努力が必要です。

 苦痛を受容することができれば、環境を変えようとするのではなく、

 感情を抑えずに受け止め、辛い思考や行動に 気付くことができます。

 危機的な状況を 乗り越えるために、次のことが指導されます。

・ストレスへの接触を減らしたり、注意をそらすようにする

・自分を元気づけ、優しくすることによって 自分を慰める

・ネガティブな体験を ポジティブな体験に置き換えるようにし、

 その時の状態を改善する

・ストレスを許容し、不適切な行動をしないことの メリット・デメリットを考える
 

 苦痛耐性スキルには、短期的な苦痛に耐えるための 「危機に対処するスキル」 と、

 長期的な苦痛に耐えるための 「現実を受け止めるためのスキル」 があります。

 短期的な 「危機に対処するスキル」 としては、次の2つが挙げられます。

○辛いことから離れるようにする

・お茶を飲んだり、スポーツやガーデニングなど、何らかの活動をする

・ボランティアなど社会に貢献する

・自分と他人を比較してみる

・感動的な本を読んだり、映画や音楽で 感情を変える

・苦痛をしばらく棚上げしておく

・心を落ち着けながら、テレビを見たり 何かに没頭する

・氷を握りしめたり、熱いシャワーを浴びたりして 感覚に集中する

○「今」 の価値を高める

・リラックスできるシーンを イメージする

・苦痛の中から、目的,意味,価値を見つけたり、作り出していく

・神仏に心をゆだねてみる

・体をリラックスさせたり、マッサージをしてみる

 微笑んで表情を変えてみる

・「今」 していることに 注意を集中させる

・「自分は頑張れる」 と繰り返し言ってみる

 長期的な 「現実を受け止めるためのスキル」 は、

 マインドフルネス・スキルが適用されます。

 「呼吸を観察するマインドフルネス」 「自己覚知のためのマインドフルネス」

 「微笑」 のスキルを通して、現実の苦痛を 受け入れるようにしていきます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55311814.html

〔 「パーソナリティ障害」 福島章 (日本評論社) より 〕