「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

併存障害 (2)

2014年01月12日 22時08分19秒 | 「BPDファミリーガイド」より

・ 自己愛性パーソナリティ障害

 高機能のBPDの人が 自己愛性パーソナリティ障害の特徴をもつのは、

 非常によくあることです。

 男性では特にそうです。

 BPDの人は 愛情への貪欲な要求を満たすために、 他者との親密な関係に頼ります。

 一方、 自己愛性パーソナリティ障害の人は、 お世辞や特別待遇を求めますが、

 本当の人間関係を必要としません。

 彼らは 他者への共感を持たず、 他者は 要求を満たすための存在なのです。

 自己愛性パーソナリティ障害の人は チャーミングで自信があり、

 傲慢な印象を与えるかもしれません。

 しかし 誇大なイメージの下には、

 極めて低い自尊心と、 根底に 空虚感や無価値感を持つ 不安な人が隠れています。

 傲慢なイメージは、 弱みや欠点を 知られないための方法なのです。

 彼らにとって 人間関係が重要だと認めることは、

 欠乏感に直面させることになります。

 すると、 耐えられないほどの空虚感, 嫉妬, 激怒を生じさせます。

・ 双極性障害

 BPDの人と双極性障害は、 互いに間違えられることが多いものです。

 双極性障害は 劇的な気分変動を起こします。

 過剰にハイな気分や いらいらから、

 悲しみ, 絶望に変わり、 また前の状態に戻ります。

 ひとつの周期は、 5年だったり、 3ヶ月だったり、

 急速後退型双極性障害というタイプは より急速に循環します。

 しかしBPDより ずっと遅いと言えます。

 BPDと双極性障害には ふたつの主な違いがあります。

1. BPDの周期はずっと早く、 1日に数回のことが多い

2. BPDの人の気分は、 生活上のでき事に左右される

 双極性障害が、 あらゆるものを含む 躁病と大うつ病の間で 変動するのに対し、

 BPDの典型的な気分変動は、 より特定されていると言います。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
 〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
 


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