「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

強化

2014年08月10日 19時59分29秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

o 強化子と境界

 BPDの人が 境界を守らないことに対して、

 本人に正の強化をすることは 控えてください。

《正の強化子と 負の強化子を見つけましょう》

 境界がうまくいかないのは、 BPDの人が それを守らないからではありません。

 non-BPの人が 自分自身の境界を守らなかったからです。

 彼はBPDの人にとって  「迫害者」 から 「救済者」 になってしまいます。

 議論は強化になり得ます。

 重要なのは、 皆さんが何をするかであり、 何を言うかではありません。

 あなたが言うことが正しいとしても、

 BPDの人との言い争いには 対処していないのです。

 あなたの仕事中に電話をかけない という境界を設定したとします。

 BPDの人が 仕事中に電話をしてきたら、

 「帰ってから話しましょう」 と言って 受話器を戻し、

 BPDの人が電話をかけてくるたびに、 その行動がなくなるまで、

 これを繰り返します。

o 断続的な強化

 あなたが一貫して行動し、 仕事中は電話に出なければ、 BPDの人は学ぶでしょう。

 問題行動はそれが止まったときには  「消えている」 のです。

 もしある日、 仕事中に電話に出たら、 電話することを強化してしまいます。

 これは 「断続的強化」 と呼ばれます。

 断続的強化により、 行動は消えることが ほぼ不可能になります。

 よい例がパチンコです。

 パチンコは 時には儲かることがあるのでやめられません。

 境界を設定したら、 違反が起きるたびに 注意することが重要です。

 境界を遵守するのは、 最初はかなりエネルギーが必要です。

 小さなことから始める 理由でもあります。

 BPDの人は1年後2年後に 皆さんを試すことさえあるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 


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