「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

消去バースト

2014年08月11日 20時01分45秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 状況は改善する前に 必ず悪化します。

 境界を試される段階は長く、 辛いものになるでしょう。

 BPDの人は状況を戻そうとして 一層行動化します。

 これは 「消去バースト」 と呼ばれます。

 消去バーストは、 行動が報酬が引き出さなくなったときに 起こります。

 BPDの人は 行動のレベルを上げ、 それでも境界が堅固だと、

 さらにレベルを高めます。

 重要なのは、 激しくなった行動を予測し、 なすがままにさせることです。

 強化を与えなければ、 行動は最初はゆっくりと、 やがて迅速に減り始めます。

 ただし、 境界を時々守らないと、 断続的強化を与えてしまいます。

 最初の数週間~数カ月間は、 最も困難になると 心に留めておいてください。

 BPDの人は、

 「以前はうまくいっていた。 もっと激しく行動したら またうまくいく」 と考え、

 より強い、 または別の不適切な行動を 取ることがよくあります。

 どれほど強烈に巻き込まれそうになっても、 断固として境界を守ると、

 行動化の時間はだんだん短くなり、 激しさも薄らいできます。

 やがてBPDの人は、 自分を落ち着かせ、

 そのあと話をすることができるようになるでしょう。

 ここに辿り着くまでには 何年もかかりますし、 何度も練習を重ねる必要があります。

 でもBPDの人は 自分に起こっていることに気付き、

 自分をよく理解するようになるかもしれません。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 


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