「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

うまくいかないときこそ 真価が問われる (2)

2010年01月31日 19時27分13秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
(前の記事からの続き)

 こうした視点で見ると、 境界性パーソナリティ障害は、

 与えられた 既成の枠に対する 拒絶反応であり、

 その枠を脱ぎ捨てるための 七転八倒だと言えます。

 親に支配された タイプの人に、 これはよく当てはまります。

 本当の気持ちを 話せるということ、

 ありのままの姿を 見せるということが 重要なのです。

 悪いところも受け止めてもらえる という安心感が、

 この障害の回復の 鍵を握ります。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子を 最も支配していたのは、 父親との死の約束の 呪縛だと思います。

(http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/59812983.html の後段。)

 心子は 解離を起こしたり、 子供の人格との交替を 見せ始めた時期、

 父との死の約束の話を 僕にしました。

 心子の没後、 主治医の先生は、

 心子が 心の中の どろどろした部分まで、

 安心して (もちろん無意識に)  僕に見せられるようになったため、

 抑圧していた子供の人格が 出てきたのだと言いました。

 そして、 意識下に隠していた 真実を出すようになって 初めて、

 解離した自分を  「統合」 する作業が 始まるのだといいます。

 しかし その統合の過程が、 本人にとっては 最も苦しい道のりになります。

 抑うつ状態に陥ったり、 解離が生じることがあり、

 最悪の場合は 自殺に向かってしまいます。

 けだし心子は、 そのプロセスを 歩み出したところだったのでしょうか? 
 
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