「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

先入観で決めつけない

2010年01月16日 21時28分28秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 境界性パーソナリティ障害の子は 小さい頃から、

 ネガティブな決めつけを されてきたことが多いのです。

 「またこの子は」  「どうせまた困らせるのでは」。

 本人も、  「どうせ分かってもらえない」 と心を閉ざし、

 前向きの努力を 放棄してしまいます。

 推測と事実を 一緒くたにしてしまうのです。

 でもその起源は、 周囲が本人に そういう扱いをしてきたからなのです。

 それを改善していくため、 周囲は 先入観で決めつけず、

 客観的に 純粋な目で 見ることが大事です。

 「 ~ではないの?」 「 ~ということはない?」

 本人が 「ノー」 と言える 余地を残した言い方を することが基本です。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 僕は心子に対して、 決めつけることはしませんでした。

 むしろ 心の中が分からず、 何か見当違いなことを言って 傷つけないか、

 ということのほうを 恐れていました。

 心子は、 自分の気持ちを 完璧に理解してほしいという希求と、

 「どうせ分かってもらえない」 という絶望の、 両極端の間で揺れていました。

 心子は親から、  「どうせ~だ」 と

 決めつけることは されてこなかったと思います。

 心子の 自己評価の低さや 諦めは、

 生後の スキンシップの欠如によって、 自己肯定感が 育たなかったためでしょうか。