「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自殺企図には どう対処するのか

2010年01月27日 21時38分06秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 境界性パーソナリティ障害で 最も苦慮するのは、

 自殺企図や薬物乱用などの 逸脱行動で、

 取り返しの付かないことや、 重大な後遺症を 残してしまうこともあります。

 自殺企図を 繰り返している場合は、

 慣れっこになるうち、 不幸な結果に 至ってしまうこともあります。

 こうした行動化に対しては、 二面作戦で臨むのが効果的です。

 ひとつは、 限度を超えた行動に 出たときには、

 大目に見ず 医療機関に入院することを、 予め決めておくことです。

 行動制限があるほうが、 本人も自分を コントロールしやすいのです。

 もうひとつは、 自殺行動だけに目を奪われず、 背後にある思いを 汲むことです。

 行動化は、 自分を分かってほしい、 向き合ってほしいという 必死のアピールです。

 苦しくても 向き合うことが重要です。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 自殺企図の 背後にある気持ちには、 僕は向き合っていたつもりでした。

 心子と父親との 死の約束、 死にたいほどの絶望などには 耳を傾けましたし、

 実際に 行動を起こしてしまったときには、 断固として守りました。

 でも 入院させることについては、 僕は当時、 今よりも抵抗がありました。

 心子は普段から、 入院は絶対に嫌だと 言っていました。

 主治医の先生も、 入院すると余計 自傷行為に走るだろうと 言いました。

 ただ 心子の自殺企図が 一番頻繁になったときは、

 最悪の場合は 入院させるようにと、 主治医から言われたことがあります。

 心子は次第に アップダウンが激しなり、

 パニックを起こして 自殺企図を見せた1時間後には、

 ケロッとして 元気に笑ったりしていたので、

 入院にまで 踏み切ることはできませんでした。

 けれども 今考えると、 ちょっと休養するという 軽い意味で、

 入院してみるという 方法もあったのかもしれません。

 時間の規則などが きちんとしている生活は、

 ボーダーの人を 落ち着かせるともいいます。
 
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