「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

Sさんの気持ちを考えて

2010年01月04日 20時36分30秒 | 介護帳
 
 デイサービスの送迎は、 車で 利用者さんのお宅まで行き、

 朝のお迎えと 夕方のお送りをします。

 ここは少人数なので、 その時によって かなり臨機応変に、

 利用者さんが乗る車や 順番を変えたりしています。

 ある日、 研修生が同乗し、

 最後の利用者・ Sさんを乗せると 座席がひとつ 足りなくなるので、

 そこでスタッフが降りて 歩いて施設に帰ることになりました。

(Sさんの家は 施設のすぐ近く)

 しかしそうすると Sさんは、

 自分が車に乗ったために スタッフが降りなければならなくなったと、

 負い目を感じてしまいます。

 そこで、 スタッフは 施設の近くで先に降り、

 あとは運転手さんに Sさんの乗車を 任せることにしました。

 なお、 施設の前で スタッフが降りると、

 乗車している他の利用者さんは せっかく施設まで来たのに、

 またSさんの所まで 逆戻りすることになってしまうので、 それは避けました。

 ここまで 利用者さんの気持ちを考えて 対応するのかと、 感心した次第です。

 前に勤めていた 大所帯のデイサービスでは、

 こんなきめ細かな心遣いは とてもできませんでした。

 送迎表に従い、 分単位の時間に 追われてやっていました。

 これも 小規模施設ならではの 気配りでしょう。