「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

うまくいかないときこそ 真価が問われる (1)

2010年01月30日 22時29分17秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 努力の末、 やっとうまくいくように なってきたのに、

 また不安定になり、 悪かったときに 逆戻りしてしまうことがあります。

 そんなときは 周囲も落胆し、 「やっぱりダメか」 と 無力感や苛立ちを覚えます。

 けれども、 本人こそが傷ついているのだと 自分に言い聞かせ、

 こちらの期待を押しつけず、 冷静に対処することが 大事です。

 そうすれば、 「失敗しても分かってもらえる」 と 考えられるようになり、

 安心感と信頼感が築かれていきます。

 小さいときから 批判や揶揄に さらされて育てば、

 失敗 = 悪いことという 二分法に縛られたまま、 心の成長が止まってしまいます。

 失敗することによってこそ、

 人間は成長するのだという 認識を育てていくことが大切です。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子の父親は、 心子に完璧を要求しました。

 学校のテストも 満点でなければ許さず、

 99点だと 答案用紙を目の前で 破り捨てたといいます。

( のちに僕は母親からも、 そういうことはあったと 確認しました。)

 100か0かという 心子の二分法は、

 父親からも 植えつけられたのかもしれません。

 それにもかかわらず 心子は、

 失敗を恐れず どんな困難にも立ち向かっていく 気質に育っていました。

 心子は ボーダーのひとつの特徴である、

 ピュアで 究極の理想を求めるという 性向を持っていたのです。

 しかし 些細なことで、 やっぱり何をやってもダメ という無力感に陥り、

 希望と絶望の 両極端を行き来していました。

(以下の記事の、 それぞれ後段に 具体例の記述があります。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/60083961.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/60087845.html )

(次の記事に続く)
 
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