「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界性パーソナリティ障害の原因 (1)

2009年02月13日 23時02分12秒 | ボーダーに関して
 
 「BPD家族の会」 で、 BPDの本を読むと

 親が悪いとばかり 書いてある, 書きすぎだ と言っていた方がいました。

 確かに 5年ほど前までは、

 生物学的な原因は まだ日本では それほど言われていませんでした。

 でも今は、 生物学的な (先天的な)  原因が第一にあるというのが

 定論になっているでしょう。

 それまでのBPDの研究は、 主にBPD患者本人からの 聞き取りでした。

 そのため、 親の責任にされたり、

 虐待が強調されすぎたり してしまったわけです。

 そもそも BPDの人の特徴は、

 現実の正しい認識が 苦手ということであり、 問題を相手のせいにしがちです。

 中には、 現実にはなかった虐待が

 記憶として刻み込まれている ケースもあります。

( 本人の心的事実としては、

 その人は確かに 虐待を受けていたことになりますが。 )

 しかし現在では、 BPDの人の脳には 生得的に

 興奮しやすさや、 ストレスに対する 脆弱性などがあることが分かっています。

 生まれつき 癇の強い子供は、 親も育てるのに 手を焼き、

 それによって子供は さらにフラストレーションが増すという

 悪循環になってしまうでしょう。

 卵が先か、 鶏が先かという 面があります。

 脳に原因があるというのは 親の責任ではなく、

 まして 子供が悪いのでもありません。

 親が自分を責める 必要もないし、

 子供も親を怨んで やる方ない怒りを 抱くこともないでしょう。

 また子供自身が、 自分の性格が悪いのだと 苦悩する必要もありません。

 この事実は、 BPDの人や家族に 救いになるのではないでしょうか。

 家族の関係改善や、 治療意欲にもつながればいいのだが と思います。

(次の記事に続く)

〔関連記事:http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/18478190.html 〕
 

〔追伸〕

 生物学的要因に加え、 環境要因が組み合わさって BPDに繋がります。

 先天的な理由だけで BPDが発症することはありません。
 
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