「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

パーソナリティ障害の自己治癒援助 (3)

2008年08月19日 21時54分17秒 | BPD,パーソナリティ障害の書籍から
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55569804.html からの続き)

 2冊目は、「境界を乗り越える -- 

 境界性パーソナリティ障害からの 回復プログラム」 (パクストン) です。

 これはシンプルな 自己学習プログラムです。

 毎日検討される 項目を記します。

○自分を大切にすること

・自傷行為をしないか

・自殺や自傷のことを 考えないか

○対人関係で 境界を構築すること

・対人関係での問題がないか

・人が去るのを 引き止めないか,見捨てられる恐怖がないか

○同一性を保つこと

・穏やかな中庸を わきまえた活動をするか

・自分の感覚が保持できるか

○回復力

・気分が穏やかで 安定しており、怒りをコントロールできるか

・生活の質を高める 対処法の訓練をする
 

 以上の中で 問題があるものに対して、対策を講じることが 課題です。

 「自分を大切にすること」 に問題があれば、

 自傷行為の要因の中から 自分に当てはまるものを選び、

 それに対処したり、周囲の援助を求めたりします。

 「境界を構築すること」 では、対人関係で 境界を明確にしながら、

 周りの人と関わって、親密さを確認したり、見捨てられる不安に 対応したりします。

 「同一性を保つこと」 では、

 自分をコントロールできる力があると 信じることが重要です。

 自分や人を信じないことの デメリットが指摘され、それを乗り越えるために、

 自分のありのままを 受け入れること,また 他者への信頼が 必要だと説かれます。

 さらに、悪いイメージを消す訓練や、安全な場所をイメージする 訓練をします。

 それらは、「周囲に潜む (と妄想される) 短剣から

 自分を守る 魔法のマントのイメージ」 だといいます。

 「回復力」 では、強い感情への 対処法が紹介されています。

 以上 これらの課題に対して、どのように対応したかを記す

 「境界を乗り越える日誌」 を 毎日を付けることが 勧められています。

〔 「パーソナリティ障害とむきあう」 林直樹 (日本評論社) より 〕