「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「闇の子供たち」 (1)

2008年08月05日 19時52分22秒 | 映画
 
 「亡国のイージス」 の社会派・阪本順治監督が、

 衝撃の問題作を 我々に見せ付けました。

 原作は、「血と骨」 の梁石日 (ヤン・ソギル)。

 タイを舞台にして 暗躍する、人身売買,児童売春,

 そして 臓器密売、闇社会の実態を暴きます。

 そして、そこには日本人も 関わっているのだという現実を……。

 日本新聞社バンコク支社の 南部浩行 (江口洋介) は、

 タイで 日本人の子供が 心臓移植手術を受けるという 情報を得ます。

 裏事情に通じる男を通して、臓器密売の仲介者に 接触した南部は、

 恐ろしい事実を掴みます。

 ドナー (臓器提供者) となる タイの子供は、脳死ではなく、

 生きたまま麻酔をかけられて 臓器を摘出されるのだと……。

 南部は真実を追います。

 意気地ないカメラマン 与田博明 (妻夫木聡) も、

 やがて 南部に感化されていきます。

 一方、バンコクの社会福祉センターに やって来た音羽恵子 (宮崎あおい) は、

 タイの子供たちのために 何かをしたいという 熱意に燃えています。

 女性所長のナパポーンが スラム街を視察し、

 同行した恵子は 貧民層の厳しい現実に 直面させられます。

 貧困のため 我が子をブローカーに 売らざるをえない親。

 売春宿の片隅の 牢屋に監禁されている子供たち。

 仲買人も子供に 性的な行為を強要し、拒むと 容赦ない暴力を加えます。

 醜い外国人客が お気に入りの子供を指名して、宿の部屋へ 連れて行きます。

 ペドフィリア (小児性愛) と言われる 性的倒錯であり、犯罪です。

 そして その客の中には 日本人たちもいるのです。

 先進国では このような幼児期を 体験した子供は、

 解離性同一性障害や 境界性パーソナリティ障害に 陥ったりします。

 しかしここでは、そこまで至ることさえ 許されません。

 エイズに感染した子は ゴミ袋に入れられて、生きたままゴミ捨て場に……。

 元気な子は 臓器摘出のため、初めて きれいな服を着せられ、

 病院へ連れられていくのです。

 これは遠い国の 無縁は話ではなく、

 地図の上では わずか20cmの所で 実際に起こっていることであり、

 日本人も 子供たちの命に 値札を付けて買っているのです。

 我々もそれを 知らなければならないでしょう。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/55427668.html