「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子との想い出の場所が、またひとつ……

2008年08月11日 21時15分51秒 | 心子、もろもろ
 
 久しぶりに ジョギングに行ってきました。

 コースは、心子と花見に行った、川沿いの遊歩道です。

 またひとつ、景色が変わってしまっていました。

 桜の下で 心子と撮った写真の、背景になっていた白い家が 建て替え中でした。

 時が流れれば 街並みが移り変わるのは 当然ですが、

 心子との想い出の一コマは、そのままであってほしいなあと 思ってしまいます。

 以前、ブログの記事にも書きましたが、

 花見の帰り道に 爆発を起こした民家が、今は駐車場になっていたり、

 その他いくつか 変化した場所があります。

 心子も 悲しがっているのではないでしょうか。

 彼女は 想い出に執心する人間でした。

 僕の部屋で 使っていたコップが割れたとき、

「このコップは 想い出が沢山あったのに……」

 と、落胆していたものです。

 普段使っていた、ただの 何でもないコップです。

 コップなどは いつか割れるものなんですが。

 また、彼女は物を捨てられない ところがありました。

 それと関係しているかどうか、薬のパッケージ (プチッと押して出すやつ) も

 捨てずに取っておくことがありました。

 そんな心子なので、想い出の場所が ひとつずつ消えていくのは、

 とても残念に 感じているかもしれません。

 それとも、天国では記憶は 永遠でしょうか?

 でも この世でも、

 「境界に生きた心子」 の中には -想い出はいつまでも残っています。