「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

光市母子殺害事件 第2回集中審理(5) 母胎回帰ストーリー

2007年07月28日 00時23分39秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49164455.html 続き)

 弁護側が描く 「母胎回帰ストーリー」 というのは、次のようなものです。

 元少年は 事件の2日前、父親に暴力を振るわれ、

 父に対する 恐れの感情が高まっていた。

 事件当日、仕事を休もうとしたが、父に知れるといけないので、

 作業服を着て 出勤するふりをした。

 その際、父が 元少年の名前を書いたほうの 作業着を選び、父親にアピールした。

 一旦外へ出るが、昼頃に帰宅する。

 義母がテレビを見ている 後ろ姿を目にして、寂しさから甘えたくなり、

 後ろから抱きついたが、すげなくされた。

 再び外へ出たが、孤独を感じ、誰かと話したいと思った。

 アパートなら 多くの人がいるだろうと思い、アパートへ行った。

 その時、配管の修理を装って

 「トイレの水を流してください」 という 言葉を思いついた。

 ロールプレイングゲームのようなもので、この言葉を言えばクリア という感覚だった。

 15軒の家を回って、弥生さんが初めて 家の中に招いてくれた。

 家に入るのは 想定外だった。

(できれば 話をしたいと思った。)

 弥生さんは やさしそうな女性で、

 こんな人が母親だったら どんなにいいだろうと思った。

 修理の仕方は 分からないので、トイレの中で しばらくじっとしていた。

 そして 黙って外に出て、アパートの階段の踊り場で 煙草を吸っていた。

 しかし、作業が終わったことを 弥生さんに告げないと、

 このことが 父親にばれてしまうのではないか と恐れた。

(父親と本村さんは 関連事業に勤めているので、

 黙って帰ると 弥生さんが不審に思って 本村さんに話し、

 作業着に名前が書いてあるため、そこから 父親に伝わってしまう という意味か。)

 部屋に戻ったのは、性的行為が目的ではない。

 部屋へ入り、弥生さんに 母親の姿を重ね、甘えたくなって 後ろから抱きついた。

 弥生さんが驚いて 声を上げたので、

 口を押さえようとして、誤って 首を絞めてしまった。

(その後は、例の魔界転生,ドラえもんの話。

 部屋を出た後は、アパートが 巨大な怪物のように感じられたなど、

 精神の不安定も強調。)
 

 以上、一見 ひとつの筋が 通っているかのようですが、

 ひとつひとつの行為に 後付けで理由を くっつけているようなもので、

 リアリティや説得力が あるとは思えません。

 作業の終了を 告げに戻ったとき、部屋に上がった理由も 分かりませんし、

 そこから 抱きつくというのも飛躍があるでしょう。

 そして、元少年が獄中から 友人に出した手紙によって、

 性行為が目的だった というのは明らかです。

 ここを 弁護団が何と説明するのか、見物です。

 次回の公判は、9月18日です。