「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「クィーン」 (3)

2007年04月27日 23時01分42秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47104421.html からの続き)

 それにしても、まだ存命中の皇室と首相の ノンフィクション映画を作ってしまうとは、

 イギリス映画の 懐の深さなのでしょうか。

 監督のスティーブン・フリアーズは 王室周辺の人達に 徹底的に取材したそうです。

 女王の寝床や、ラフな服装で 四輪駆動を飛ばすシーンを撮ったり、

 日本ではあり得ないことですね。

 また、ブレア首相の家が 普通のサラリーマン家庭のような、

 雑然とした日常風景だったのも 興味をそそられます。

 エリザベス女王は この映画を観ていないそうですが、

 主演のヘレン・ミレンを 宮中に歓待したといいます。

 
 ダイアナ元妃は今も 世界中の人の 心の中に生きており、

 彼女の持つ魅力は 際立ったものがありました。

 それは 彼女がボーダーだったためでも あるのではないかと思います。

 ボーダーの人は 人に依存し、人の愛情がないと生きていけない。

 幼いときから 周囲の関心や愛情を得る術を 無意識に身に付けているのです。

 そのため、ボーダーの人は 魅力的な人が多いといいます。

 心子もまた そうだったでしょう。

 一方で、ボーダーであるが故の 激しい感情の嵐。

 ダイアナも人知れず、チャールズ皇太子の不倫などに対する、

 狂おしい感情の爆発に 苛まれていたといいます。

 ダイアナの不安定な心情が、王室との関係に 悪影響を及ぼしたでしょうか? 

 できれば、そういうことに由来する ダイアナと王室のあつれきも、

 見せて欲しかったと思いました。

 そのようなシーンがあったほうが、女王とダイアナの間の

 嫁姑の確執も 具体的に理解できたでしょうし、

 ボーダーとしての片鱗も 知ることができたでしょう。

 この映画は それが主眼ではありませんが、ダイアナ元妃を通じて

 ボーダーの理解が 広がればいいのだが、とも思う次第です。