菊池凛子が アカデミー賞 助演女優賞ノミネートで話題の、
「バベル」 の試写を きのう観てきました。
モロッコの遊牧民の少年が ジャッカルを退治するために 試し撃ちした銃弾が、
アメリカ人観光客に 当たってしまったところから、
関わる人々の歯車が狂い始め、それぞれ事態は最悪の方向へと 進んでいきます。
モロッコの少年,アメリカ人観光客,メキシコ,日本で、
別個の4つのできごとを 巧みに時間をずらしながら 見せていく構成は、
実に卓越していました。
メキシコ出身の アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は、
「21グラム」 に続く 長編映画3作目ながら
見事な力量を 見せてくれました。
予測できない苦境に 陥っていく人物たちの 非情なドラマを、
ラストでは救いの物語へと 収束させていきます。
タイトルの 「バベル」 は 旧約聖書の 「バベルの塔」 から取ったもので、
言葉や心が通じなくなってしまった 人間世界を表しています。
その意味では 菊池凛子扮する 日本の聾の少女は、
言葉が伝わらない 孤独な魂を 象徴する役割です。
無言の演技で 屈折した内面の喜怒哀楽を 表現していました。
26才の菊池凛子が 女子高生を演じて 若干無理を 感じる所もありましたが、
はじけた笑顔を見せるシーンなどは 充分可愛い少女でした。
「境界に生きる心子」のドラマ化では、菊池凛子を主役とする 企画にしたら
いいのではないかと 考えた次第です (^^; )。
(参照: http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46383043.html )
[余話]
きのうは 都知事選投票日の前日。
σ (^^;)は某候補に 気持ちが傾いていたものの、
今回の選挙は情報不足で 誰に投票するか 最終決定しかてねていました。
すると 「バベル」 の試写の前、駅でその某候補が 演説していました。
時間があったので 聞いていましたが、それで 投票する気持ちが決まりました。
これも何かの縁-- 「共時性」 かもしれません。
「共時性」 は 「意味のある偶然」 ということで、
単なる偶然として やり過ごしてしまうか、
意味あるものとして 捉えるかどうかが 大事なことだと言われます。
今日は その候補に投票してきます (^^; )。