「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「無意識の彷徨」(2)

2007年04月06日 20時39分36秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46546835.html からの続き)


○走るパトカーのサイレン
 

○民間の駐車場

  傷害事件の現場。
  停車したパトカーと救急車の赤いランプ
  が闇夜にきらめく。
  友辺,田所の姿も見える。
  警官たちが辺りを調べている。
  救急隊員が怪我した中年サラリーマンを
  担架で救急車に運び込む。
田所「(被害者を横目で見送り)オヤジ狩り
 か……酔っぱらい狙いの強盗だな」
  友辺、メモを取りながら目撃者のOLに
  聴取している。
OL「(興奮気味に)3人くらいであの人
 (被害者のほうを指さし)を襲ってたんで
 す……殴ったり蹴ったり……!」
友辺「犯人の年格好は?」
OL「……二十歳くらいで……そう、ゴーグ
 ルをかけてる人がいました……」
  手帳に書き込む友辺。
  赤く瞬くランプ。
 

○なつみのマンション・寝室

  パジャマに着替えているなつみ。
  電話が鳴る。
なつみ「(受話器を取る)麻生です」
友辺の声『俺、友辺。悪い悪い、さっきは。
 田所さんにいきなり電話切られて』
なつみ「(電話機を持ってベッドに座る)そ
 うじゃないかと思った(苦笑)」
友辺『あのあと何ともなかったか?』
なつみ「うん、大丈夫。事件?」


○事件現場

  携帯電話をかけている友辺。
友辺「河川敷の近くで傷害があったんだ。な
 つみが見た男、服に血が付いてたっていう、
 何か関係があるかもしれない。どっちの方
 向から走って来た?」
なつみ『線路の北の方』


○なつみの寝室

友辺『男の特徴は?』
なつみ「(寝ころんで)ええと……二十歳く
 らいで……Tシャツにジーパン……」


○インサート

  車窓の光に照らしだされた裕司の顔。


○なつみの寝室

なつみ「あ……額に傷痕があったと思う、小
 さいけど……」


○事件現場

友辺「(メモしながら)そうか、細かいとこ
 までよく見てたな。一応合格点だ(笑)」
 

○なつみの寝室

なつみ「刑事の相方として? おあいにく、
 あたしはあたしですから(笑み)」
  
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46599520.html
 
コメント
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