「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「クィーン」 (2)

2007年04月26日 20時10分43秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47081789.html からの続き)

 女王とダイアナ元妃の間の確執も 取り沙汰されます。

「ダイアナは生きていても、死んでも厄介」

 それが王室の本音でした。

 一人の人間として 生きるダイアナと、伝統を重んじる王室。

 ぶつかることがあったであろうことも 想像されます。

 エリザベス女王は20代で即位し、その時から50年以上、

 常に国民のことを第一に考え、自分のことは 二の次にして生きてきたのです。

 自分の感情を 表に出すことはありませんでした。

 けれどもマスコミは ダイアナの味方でした。

 女王は王室として、マスコミに惑わされず 威厳を保っているのが

 英国人であると信じていますが、

 ブレアは マスコミが世論を動かすと知っています。

 ブレアは国民の雰囲気を察知し、声明を出すよう 女王に助言するのです。

 そこには 首相自身の評価を高めるための 計算もありましたが、

 新しい世代の宰相として 女王と国民との 橋渡しになる強い使命感でした。

 英国クィーンとしての尊厳を 持ち続けながらも、

 国民の激しい怒りを目の当たりにし、女王は葛藤したのです。

 国民なくして 王室もあり得ません。

 それは胸に迫る 切実な苦悩でした。

 格式高いクィーンの 人間らしい生々しい感情を、ヘレン・ミレンが繊細に演じています。

 ブレアは女王の隠された苦しみを理解し、その高潔な心を絶賛します。

 親子ほど年の違う エリザベス女王とブレアですが、

 どこか母と息子のような 感情でも繋がっていたようです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47132749.html