「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「無意識の彷徨」 (3)

2007年04月07日 15時59分27秒 | 車椅子社長/無意識の彷徨/コンビンサー
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46579724.html からの続き)


○河川敷近くの路上/夜

  パトカーがゆっくり走っている。
  助手席に友辺、運転席に警官。
  前方に裕司がうずくまっている。
  友辺と警官、それを認める。
  パトカーを裕司に近づけ、友辺,警官、
  降りてくる。
友辺「(裕司を覗き込み)もしもし、どうし
 ましたか?(裕司の体を軽く揺する)」
  動かない裕司。
  警官が裕司の体を懐中電灯で照らす。
  Tシャツに真っ赤な血。
警官「どうしたんです? これは」
  小さなうめき声を上げる裕司。
  友辺のほうに虚ろな顔を向ける。
  裕司の視線は宙を漂っているかのようで
  ある。
  額に傷痕がある。
  それを確認する友辺。
  警官、懐中電灯で裕司の顔を照らす。
  光が裕司の目に当たる。
裕司「(光に激しく驚き)ぅあッ……!?」
  顔を上げた裕司の目に、パトカーの赤い
  ランプの点滅が飛び込んでくる。
裕司「ああ~~………!!(ひどく怯えて逃げ
 だす)」
友辺「待て!」
  友辺,警官、裕司を抑えようとする。
裕司「わあぁ~~……!!」
  錯乱して友辺の腕を振り払う裕司。
友辺「おとなしくしろ!」
  死に物狂いの裕司、やたらに手を振り回
  し一発が友辺の顔を見舞う。
友辺「く……ッ!」
  友辺、裕司を組み伏せる。
  手錠を取り出して素早く裕司の腕にガチ
  ャリと掛ける友辺。
友辺「公務執行妨害だ……!」
  痙攣するように震えている裕司。
 

○警察署・外景/翌朝
  

○同・正面入口

  なつみが出勤してくる。
なつみ「(警備の警官に)おはようございま
 す(笑顔)」
  敬礼して返す警官。
  なつみ、入っていく。
  

○同・廊下

  なつみ、すれ違う顔見知りの職員に軽く
  笑顔で会釈しながら歩いていく。
掃除のおばさん「やあ、おはよう、女刑事さ
 ん」
なつみ「おばさん、あたし刑事じゃないって
 ば。何回言ったら分かってくれるの?(
 笑)」
おばさん「あ、先生だっけ? ま、似たよう
 なもんでしょ?(あっけらかんと笑う)」
なつみ「先生でもないんだけどなぁ・……
 (苦笑)」

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46646983.html
 
コメント
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