熊本大学への取材で、市内に1泊。
久しぶりに、今度はぶらりと遊びに来たいな、と思える街に行った気がする。
以前、仕事で度々お世話になった某百貨店健康管理センターのNさんが、退職後ここ熊本で新たな生活を始めておられるとのことで、久しぶりにお目にかかってお食事をご馳走になった。Nさんは、医師や臨床検査の関係者らで構成される「21健医総研」で現在もまとめ役としてがんばっておられる。
「今日のメインは食後の珈琲よ。文化人が集まる珈琲店があるから、ぜひ。」
と連れて行っていただいたお店は「珈琲店アロー」。
コーヒー嫌いで知られていた三島由紀夫が、この店のコーヒーだけは愛飲したという。
(なら、店の写真でも載せろって・・・そうですよねぇ。。
)
とにかく、普段飲んでいるモノとはまったく違う。
コーヒーの概念を変えさせる店だった。
麦茶を思わせるような、琥珀色の珈琲。
飲めば、確かにコーヒーでなのです(当たり前だが)。
香りは控えめだが華やか。軽くてほのかに甘みがあるから、ほうじ茶のような後味とも言えそう。
特有のえぐみがないので、深夜に飲んでも胃にこたえない。
このコーヒーなら、胃の調子がいまいちな時でも飲めそう。
※私にとってコーヒーが飲みたいかどうかは、胃の調子を判断する最もわかりやすいバロメーターなのです。
マスターに豆を見せていただいた。わずかに緑色がかるほどの浅炒りの豆。
これほどに浅炒りのコーヒーをおいしく淹れるには、上質な豆を大量に使わないとだめだそうだ。
しかも、抽出時間が極めて微妙。
お湯を注いでいる時のマスターは、無我の境地で、お客さんから声をかけられても完全無視
これぞ集中力の手本です。
今年72歳になるマスターは43年間、1日も休まずコーヒーを淹れ続けている。
毎日11時から23時まで。週末は午前3時まで、ずっと一人でカウンターに立ち続けているのだ。驚異!健康の秘訣は、自分で淹れたコーヒーを1日30杯飲んでいるとか。
マスターは深く炒った一般的な黒いコーヒー豆を見せて、こう言った。
「こんなタール、飲み続けてたら体をこわします」
おぉ。私は「タール」を飲んでいたのか・・・。
深炒りコーヒーも好きだけれど、確かに胃に堪える実感をもっている私には、説得力のある一言だった。
蝶ネクタイをきちんとつけたチョッキ姿のマスターのお肌はなるほどうらやましいほどツヤツヤだ。
行く機会があれば、皆さんもぜひどうぞ。ほかでは味わえない、忘れえぬ珈琲ですよ。
翌日、商店街を散歩中に見つけた「朝鮮飴」(写真)、鶴屋デパートで売っていた「南関ソーメン」(ソーメン好きの亭主用)と、米焼酎「待宵」(「県内限定販売」に弱いワタシの衝動買い
)をお土産に帰京。「いきなり団子」だけが見つけられず、次回に課題を残す形となった。(何の課題だ?)
Nさん、ありがとうございました。
ちなみに、今日も私は「タール」を飲んでます。
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