蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

東京駅が蘇った!―日本の再生を思う―

2012-10-15 00:22:29 | 日常雑感
2012年10月14日(日)晴れ。

 昨日の土曜、お彼岸に行きそびれた墓参りに小平霊園へ行ったついでに、先日、報道のあった東京駅が創建当時に復元されたのを見ようと、東京駅で降りてみた。
丸の内南口の改札口を出ると、そこは携帯片手に駅舎のドーム天井を見上げる人々で一杯だった。
 先日、NHKTVで放映していた十二支の辰(竜)の浮き彫りが小さく見えた。見事だった。
 
 私は、少々感傷的になった。あの食堂はどうなっただろうか…。そう思って出口に向かっての左手をみると新装なったステーションホテルのエントランスが控えめにあり、下の食堂の入り口と思しきところには、松屋だったかどこかの用品雑貨の店になっていた。
30年前、毎土曜日の夕方、勤め先の美術部のデッサン会の帰り、講師の先生や仲間と立ち寄って、生ビールや越乃寒梅を飲みながら、眼高手低の芸術論を交わした日々が思われた。
 
 そして、もっと昔、小学校4年の時だった疎開先の田舎から東京の叔母家に遊びに来たとき通りかかった東京駅。まだ空襲で焼け落ちた、レンガが山積みになり、破れた天井から青空が見えた記憶があった。
それが、今、見上げる駅の天井ドームのなんと素晴らしいことか。
表にでて、中央郵便局の前に立ってそこから改めて駅舎全体を見渡した。復元前の三角屋根となんと違うことか。
 それは、気品に溢れて堂々と建っていた。何か、これでやっと日本は戦後の復興に一段落が付いたのだと感じた。

 日本は、今、日本人自らが落日とかなんとか言っている。だが、東京駅を含めこの間、丸ビル、国鉄本社跡、中央郵便局とみな超高層ビルぐんとなり、面目を一新したのを見るとき、この国の底力を見る思いがした。この日本、なんと美しく品位がある国だろうかと。
 そしてこの国に生まれてきたことを、つくづくと何故か幸せなことだと心から感じた。
私は、携帯をとりだして、周りの人々と同じようにライトアップされた東京駅を何枚かとって帰ってきた。

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