蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

「山の上ホテル、下水道代1800万円分ごまかす」その裏には?

2012-10-02 00:24:07 | 日常雑感
2012.10.1(月)台風一過、晴天、陽射し強き一日。

 PCの画面をクリックしていたら、こんな記事が目に止まった。
『2012年10月1日(月)19時37分配信 読売新聞
 東京都下水道局は1日、老舗ホテル「山の上ホテル」(千代田区神田駿河台)が、下水に流した井戸水の量をごまかし、今年6月までの約3年間で約1800万円分の下水道料金の徴収を不正に免れたとして未払い分と過料計約5400万円を請求したと発表した。
 不正配管を理由に同局が過料処分を出すのは初めて。
 発表によると、同ホテルは2009年4月に井戸水の使用を始めた。その際、検針メーターのある管を迂回するバイパス管を取り付けて、手動バルブでメーターを通る水量を調整できるようにした。今年6月に同局が匿名の情報提供を受けて立ち入り調査して発覚した。
 同ホテルによると、井戸水は水道水節約のため調理場の清掃などに使っていたという。取材に対し、同ホテルは「処分を真摯に受け止める。利用者の信頼を損ねて申し訳ない」と話した。』

 こんな記事、故山口瞳氏が読んだらなんというだろうか? 山の上ホテル。神田駿河台、御茶ノ水駅近くの表通りからは直ぐには見えないひっそりとしたところにあるようだ。
 週刊新潮の名エッセイ「男性自身」でだったか、何かで山口瞳氏は、このホテルの居心地のよさ、食事、従業員の心遣い等、何度か褒めて書いていた。
 それを読んで、いつか一度食事にでもしに行ってみようかと思ったが、今日までついにその機会がなく過ぎてしまった。

 このホテル。新潮社等著名な出版社が人気のある作家を缶詰にするときによく利用するらしかった。故水上勉氏のエッセイでもこのホテルのことを好く書いていた。
 
 その品格と伝統のあるらしいホテルが、下水道料金をごまかしたという。記事によれば下水道工事業者の単なるミスではなくホテル側の責任ある立場の者が、下水道料金を誤魔化そうとした確信犯的行為である。
 なんとみみっちことをするもんではないか。
 下水道料金、地面の下の誰の眼にもつかないところにある。それをいいことに、わからなければごまかしてしまえという卑しいこころはどうだ。
おそらく、このホテル、調理場でつくるご自慢の料理も客の見えないところでちょうりするのだからと、けちれるものはとことんケチっているのではないか。
こんなホテルにわざわざ行っておそらくは高い料金を払わずにすんでよかったとおもうばかりだ。
 
 それにしても、このホテル、最近になって経営者が代替わりしたかなんかで悪くなったのだろうか…。それとも昔からこうだったのだろうか…。
 おそらくこの事件内部告発という。ということは、良心的な古い従業員が新しい経営者のえげつなさに我慢がならずということではないか。

 ところで、とかく著名人が褒めるお店に、どんなところかと私のような無名の貧乏人が珍しいもの見たさで行ってみれば碌なことがないのが、これまでの私の経験ではおさだまりだ。
 いつか、山口瞳氏が褒めていた有楽町近くの小さな中華料理店の焼売がおいしいというのでいってみたが、どうってことなかったっけ。
 店の主人だって、著名人だからこそ店の宣伝にもなれば一生懸命サービスの限りを尽くすのだろうが、どこの馬の骨ともわからぬ一現の客なんかに一々かまっちゃーいられないといったところではないか。

 それにしてもこの山の上ホテルの経営者。伊勢神宮の前の有名な赤福の若大将が、売れ残りの赤福を再度あつめて丸めなおして売ったのがばれた事件を思い出させてくれた。
 今の政治家も二代目が幅を利かす時代。有名菓子屋も著名ホテルも二代目さんの何んとお粗末なことか。

 それはそのまま、今の私たちに人を見る目も、物を見る眼もなくなったということではにないか…。やんぬるかな、やんぬるかな…。
 
 この先は、我日本は、三代目。「売り家」と斜めに札を張りってところか。

ー追記ー
 ここまで書いてきて、もう1件、大事なことを思い出した。それは今日の組閣で文部科学大臣に目出度くご就任あそばした田中真紀子大臣のお父上。故田中角栄元総理大臣閣下の目白御殿の見事な錦鯉で有名なお池の水も、長く下水道料金をお支払いになっていなかったことから、同じような事件があったことを。
 さてこちらの二代目お嬢様というよりは、もうれっきとしたお婆様と申し上げた方が適切かもしれませんが、果たしてこの先どんなお働きをおみせになることやら。
 文部科学省のお偉いお役人様ご一党様には衷心よりお見舞いの言葉をさしあげるといたしましょう。
 まあ、どうせ後、指折り数えるほかない短命内閣のようですから、こんな心配無用でしょうか…。


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