蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

”清水次郎長異聞”に思う「地球気候クライシス(危機)」

2007-03-04 01:20:48 | 日常雑感
 3月3日(土)晴れ。暖。
  
  今日は、ひな祭り。TVやラジオのニュースでも各地での特色あるひな祭り行事の有様が報じられている。暖かい小春日和の中、そんなほのぼのとした可愛い子供の顔が目に浮かぶようなニュースを耳にしながら、足の踏み場も無くなった作業場の整理を始めた。

  一月近く読んだままに重なり合って場所塞ぎな新聞の山から崩しに懸かった。いざ捨てるとなると何か読み残した記事がありはしないかと貧乏性が頭をもたげる。
  結局、丹念に興味を引かれた記事の切抜きを始めた。これで、半日が暮れてしまった。

  その中に、『「次郎長」は渡さない 「清水一家」暴力団使用へ 市民と警察が阻止に団結』なる記事(2月23日付け、朝日新聞)が目に付いた。
 
  おや?今頃これは何だと思った。瞬間、昨年8月26日付けの拙ブログ「清水港に次郎長を尋ねて」を思い浮かべた。http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/d91950857819362bcee13699044ab3f2/ce
  改めて、この新聞記事を読み直してみるとこうあった。
『 清水次郎長の名は使わせないー。清水市清水区に本部を置く指定暴力団…が、清水次郎長の系譜を継ぐ「清水一家」を名乗ろうとしているとの情報を受け、静岡市暴力追放推進協議会が22日、使用阻止の要請書を清水署に提出した。…清水一家は5代目の66年に解散しているが、伝統ある名は、暴力団にとって「ネームバリュー」があるという。…』

  驚いた。“清水次郎長”もはや伝説上の人物に等しいと思っていたら、まだ脈々とこの21世紀に息づいていたのである。

  暴力団の世界にもブランドは幅を効かすらしい。
  こんな降って湧いたような地上の騒ぎに、地下の次郎長親分さんは、どう思っていらっしゃることだろうか。さぞかし苦虫噛みつぶしているのではなかろうか。

  折角、若き日の博徒渡世から、思わぬ歴史の転換の中で幕臣山岡鉄舟の知遇を得て、世の為人のために役立つ稼業に転じ、今じゃ清水市(合併して静岡市)のシンボル、観光目玉に収まって、安らかな眠りについているというのにだ。
  
  ところで、この次郎長さん、生まれたのが文政3年(1820年)、亡くなったのが明治26年(1893年)73歳とある。

  さらに、次郎長が生まれる10年前の文化7年(1810年)、には赤城の山も今宵限りで有名な国定忠治親分、天保水滸伝の英雄、笹川の繁蔵親分が生まれているのだ。
 しかし、この二人のうち忠治親分は、嘉永3年(1851)41歳、上州で刑死(磔ハリツケ)し、繁蔵親分は嘉永元年(1848)38歳で敵(カタキ)、飯岡助五郎の子分の闇討ちに遭い惨殺されている。
  維新前夜の幕末、幕府体制は腐敗し、飢饉相次ぐなかで治安が乱れ、庶民が難儀するのをみかねた侠気(オトコギ)のある連中が、今で言う義捐金稼ぎのために縄張りを争って出入りをしたらしい。

  今の世も、どっちを向いてお仕事されているかのお役人や、自分の取り分を増やすことしか頭にない財界のお偉方が、余りに頼りにならないとなっているところへ、気候クライシス(危機)=「地球温暖化」により、食糧危機でも重なって到来すれば、今度は本当に、次郎長の一枚看板が息吹き返し大暴れして、世の喝采を浴びないとは誰が否定できようか。

と思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか。

―追記―
 気候クライシス(危機)=「地球温暖化」について
 「地球温暖化、こんな言い方何か生ぬるくてぴんときませんね、もっとぴたっとした適切な言い方がないのでしょうか?」と、拙ブログにいつもコメントを戴く、さくら様から過日お問いかけがありましたが、今回、いい言葉に巡りありました。

  と申しますのは、3月2日の朝日新聞「天声人語」に、『最近の言葉から。…▼映画「不都合な真実」などを通じた気候変動問題の啓発活動で、米科学誌が「06年に最も影響のあった政策指導者」に選んだアル・ゴア元米副大統領が述べた。「私は地球温暖化と言わず、気候クライシス(危機)と呼ぶ。』とあったのを読み、全くその通りだと同感いたしました。
  よって、私も、これからは、拙ブログにおいては、「気候クライシス」、または「地球気候クライシス」と表記していくことといたしました。


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2 コメント

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有難うございます! (さくら)
2007-03-04 18:38:29
『アル・ゴア元米副大統領が述べた。「私は地球温暖化と言わず、気候クライシス(危機)と呼ぶ。』とあったのを読み、全くその通りだと同感いたしました。』

蛾遊庵様がアンテナをピンと張っていてくださり有難うございます!適切な表現に出会い胸のつかえが取れました!

ところで指定暴力団、清水一家の名を名乗ろうとは全く厚かましいですね。
男気(オトコギ)はおそらく「なし」の暴力団でしょうに・・・。

ブッシュVSゴア、僅差でブッシュが大統領になりましたが、もしゴア氏が勝っていれば世界のいろいろな事が「今よりマシ」だったと思います。




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いい言い換えだと思います。 (蛾遊庵徒然草)
2007-03-04 19:05:37
 さくら様、<適切な表現に出会い胸のつかえが取れました!>とのこと。よかったでした。
 確かに気候クライシスのほうが、はるかに事態の深刻さが浮き彫りになるような気がしますね。

 ところで<もしゴア氏が勝っていれば世界のいろいろな事が「今よりマシ」だったと思います。>とのことですが、こればかりはそんな気もしますし、いざなっていれば、案外に選択肢がなくて、しかたなく…今のような道を選ぶ他無かったという事かも知れません





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