合気道ひとりごと

合気道に関するあれこれを勝手に書き連ねています。
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324≫ テーマ式稽古

2017-09-01 22:38:20 | 日記
 9月に入りました。8月の当地は連日雨模様で多くの日が最高気温30℃に満たない冷夏でしたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。

 さて、本ブログはその都度テーマを決めて拙論を展開していますが、今回は『稽古におけるテーマ』ということについて考えているところを述べてみようと思います。

 普通、稽古では正面打ち一教だとか片手取り四方投げだとかというふうに提示されて進められると思います。その場合、それぞれの技の最初から終わりまでを通してやることになりますが、テーマの設定のしかたによっては重点を置くポイントが異なることがあるということを知ってほしいと思います。

 どういうことかというと、基本の技とされるものであっても、足運びか、手の遣い方か、崩しか、最後の極めか等々、技を成立させている各要素はそれぞれが難しく、その全部を通してやるにはだいぶ荷が重いものだからです。それで個別の要素に絞って『きょうは足運びに重点を置いて稽古する』となれば、極端に言えばそれ以外のことは多少手抜きしてかまわないとも言えます。もちろん初心者の方は全部通して平均的に稽古するほうが技の全体像をつかみやすいのでこの限りではありません。むしろ上級の方、上級を目指す方に大事な稽古法です。

 合気道は、稽古においては技法展開の縛りが比較的緩いように見えます。本当はそれではいけません。足運びひとつにしても、踏み出しのタイミング、歩幅、つま先の向き、踵の浮き沈みなど留意すべき点がいろいろあります。そうしながらその他のポイントも全部わが物にするというのは一定のレベルに達した方でないと難しいでしょう。とにかく、技を漫然と施しているだけでは意味ある動きは身につきません。そのようなとき要素を分解した稽古法が有効なのです。

 ただ一番の問題は、足運びにしても、それならどんな歩幅が良いのか、つま先の向きはどこを向くのが良いのかなど、より優れた方法がわかっていなければ稽古のしようがありません。指導者も含めて多くの方がわかっていないか興味がないというのが実情ではないでしょうか。これが合気道技法の縛りの緩さの原因です。

 本ブログではいくつかの技法について各要素の細かなことを言ってきましたが、やはり文章の限界はあります。それでも、こうであるべきだ、という思いは以前より強くなってきました。いま言っておかないと言いそびれてしまう、そういう齢になったということでしょうか。

 でも、こんなことは本当は初心者の時に覚えるべき事項なのですがね。実態はあまり変わっていないのかもしれません。