黒岩合気道を理解するためのキーワードとして以下のものをあげることができます。
ー① タテの崩し・ヨコの崩し
ー② 虚と実
ー③ 隙間を埋める
大きくは以上の三つです。
その中から今回は≪①タテの崩しとヨコの崩し≫について説明します。
合気道の稽古においては、単純な力比べに陥らず、取り受け双方のなめらかで無理のない動きによって一つの技法が形づくられます。これは、あらかじめ決められた動きを利用し合理的な体遣いを身につけるための有効な稽古法です。
しかし、この方法に慣れすぎると、武道としての現実的な攻防から大きく外れた、なれ合いともいえる動きが合気道なのだとの誤解を生じます。
本来、人ひとりを投げ、押さえるには大変な工夫が必要です。それは柔道などの他武道をみても明らかで、生半なことではとても技になりません。柔道では崩しが明確に意識され、稽古の大半がそれに費やされるといってもいいくらいです。
黒岩合気道においてはそれをタテとヨコにわけ、タテの崩しは一~四教、ヨコの崩しは四方投げに当てはめています。
タテの崩しにおいては、上段・中段・下段・地のそれぞれに一・二・三・四教をあてます。例えば、一教は上段の崩しのもとに施されるということになります。一教を腕押さえということがありますが、それは技の終末動作であり、大切なのはそれに至るまでの体遣いです。そこで必須なのが上段の崩しで、受けの重心をわずかに浮かせるような体遣いをします。その他も、崩しの位置の高さは異なりますが、考え方は同じです。
ヨコの崩しは四方投げの崩しですが、これは四方投げに限らず、天秤投げ、腰投げその他受けの正面に入り込む技法すべてに関係します。したがって、例えば四方投げは単に受けの腕をくぐって倒すというものではなく、技の初期段階において受けを横(水平面)に引き出すように崩すことから始まるわけです。
これらを通じてわかることは、黒岩先生が求めていたのは使い物になる合気道だったということです。もちろん崩しをかけただけで技が使い物になるわけではありませんが、まずはそこから始まるということを理解しなければなりません。それが無いと、やれ小手捻りだ、やれ小手返しだといってみたところで、そこまで行きつかないのですから端から勝負になりません。いかに平和を愛する現代武道だといっても、遣えなくてよいということにはなりません。
崩しは武道としての十分条件ではありませんが必要条件ではあります。
ー① タテの崩し・ヨコの崩し
ー② 虚と実
ー③ 隙間を埋める
大きくは以上の三つです。
その中から今回は≪①タテの崩しとヨコの崩し≫について説明します。
合気道の稽古においては、単純な力比べに陥らず、取り受け双方のなめらかで無理のない動きによって一つの技法が形づくられます。これは、あらかじめ決められた動きを利用し合理的な体遣いを身につけるための有効な稽古法です。
しかし、この方法に慣れすぎると、武道としての現実的な攻防から大きく外れた、なれ合いともいえる動きが合気道なのだとの誤解を生じます。
本来、人ひとりを投げ、押さえるには大変な工夫が必要です。それは柔道などの他武道をみても明らかで、生半なことではとても技になりません。柔道では崩しが明確に意識され、稽古の大半がそれに費やされるといってもいいくらいです。
黒岩合気道においてはそれをタテとヨコにわけ、タテの崩しは一~四教、ヨコの崩しは四方投げに当てはめています。
タテの崩しにおいては、上段・中段・下段・地のそれぞれに一・二・三・四教をあてます。例えば、一教は上段の崩しのもとに施されるということになります。一教を腕押さえということがありますが、それは技の終末動作であり、大切なのはそれに至るまでの体遣いです。そこで必須なのが上段の崩しで、受けの重心をわずかに浮かせるような体遣いをします。その他も、崩しの位置の高さは異なりますが、考え方は同じです。
ヨコの崩しは四方投げの崩しですが、これは四方投げに限らず、天秤投げ、腰投げその他受けの正面に入り込む技法すべてに関係します。したがって、例えば四方投げは単に受けの腕をくぐって倒すというものではなく、技の初期段階において受けを横(水平面)に引き出すように崩すことから始まるわけです。
これらを通じてわかることは、黒岩先生が求めていたのは使い物になる合気道だったということです。もちろん崩しをかけただけで技が使い物になるわけではありませんが、まずはそこから始まるということを理解しなければなりません。それが無いと、やれ小手捻りだ、やれ小手返しだといってみたところで、そこまで行きつかないのですから端から勝負になりません。いかに平和を愛する現代武道だといっても、遣えなくてよいということにはなりません。
崩しは武道としての十分条件ではありませんが必要条件ではあります。