活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【5月21日】

2024-05-21 | 文庫

ヘミングウェイ全短編2を読み終えました。勝者に報酬はないでは14の短編が、その他3編の短編で構成されています。最後に有名なキリマンジャロの雪が載っています。これらの短編は1930年代のもので、フロリダのキー・ウェストに居を構えていた時代です。作品自体にケチをつけるのではないのですが、キリマンジャロの雪とフランシス・マカンバーの短い幸福な生涯は昔欧米人の間で流行っていたアフリカでの猛獣狩り(サファリ)が舞台です。野牛やライオンを撃ち殺して皮を剥ぐというのを楽しむもので、現代から見れば許されざる蛮行です(今でもやっている連中がいるらしい)。ヘミングウェイを楽しむというより、この頃の欧米人の神経にいささか腹を立てたりして読みました。ニコラス・アダムズが登場する作品はヘミングウェイの分身だそうです。そのニックが登場する父と子では少年時代の森での狩りが舞台で、リスとかうずらを狩猟するのですが、狩猟民族ではない自分にはこちらもいささかという感じでした。

「ヘミングウェイ全短編2」アーネスト・ヘミングウェイ 新潮文庫

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