三つ首塔を読みました。(昭和30年で)100億円の遺産相続をめぐって(現代なら5千億円という話かも)、相続対象者の争奪戦が始まります。殺人により一人一人相続者が減り、最後は三つ首塔で相続の秘密と謎が明らかにされますが、最後の最後は八ツ墓村のような地中での攻防になります。こうした流れをヒロインの手記という形で述べられていて、金田一はかなり最初から登場しますが、伏線のような立場です。ヒロインに付きまとう男の謎もこの話の大事なところです。彼はヒロインに対して是なのか非なのか。
「三つ首塔」横溝正史 角川e文庫