エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

實俳句の海へ・・・4

2013年07月22日 | ポエム
俳句鑑賞のつづきである。



實さんは、カラオケが大好きだった。
そう夫人が述懐されておられた。

18番は「山茶花の宿」であったと云う。

實俳句
 「墨絵その色彩との会話」



Ⅰ 春 草萌ゆる
のつづきである。





陽炎を咀嚼しており放し牛  實


 陽炎を咀嚼する牛。
 面白い景色である。
 陽炎が、下萌の草と重なって牛の健康体が見えてくる。
 霞むようにみえる牛だけれど、その遠因は、陽炎を食むからだと言っている。



夕ぐれや野焼きの匂いすれ違う  實


 夕暮れに野焼きの匂いと擦れ違った。
 未黒野になった野原。草の燃えた芳しい春の匂いである。
 野焼きによる命の再生、ただ黒いだけではない命の萌芽が鮮やかに網膜に映るのだ。


あるかなしの風を育てて雪柳  實


 實俳句には、頻繁に猫柳、雪柳が登場する。
 この句もその一つである。
 雪柳の銀色に光る枝が目に浮かんでくる。
 しかも、その雪柳は風を育てているというのだ。
 風の色は銀色。
 やがて、白く熟成した色に変わっていく。





浮き沈むおたまじゃくしの四分音符  實


 おたまじゃくしを四分音符に置き換えた。
 すると忽ち音楽が實さんの頭に浮かんできた。
 童謡だろうか、それとも唱歌、あるいは歌曲だろうか。
 どちらにせよ、自然の中に色を見、音楽を感じる感性の實さんである。



写真を探している。
ぼくの写真は、概ね30万枚を超える。
ここ数年間の写真でも、5万枚を超えるのである。
適当ん写真が見つからないのだ。
見つかったら、改めてアップする。
お待ちいただければ幸いである。



      荒 野人