エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

閑話休題・・・夕焼

2013年07月21日 | ポエム
實俳句は、本日お休み。
昨日の空が余りに見事だったから・・・。



朝からずっと、涼風が渡っていたイチョウ並木のベンチで、ぼくは家なき子のように座っていた。
見上げると、うろこ雲の片鱗が空を覆っていた。



まだ鮮明ではないけれど、これからきっと綺麗になっていくのだろうと思えたのである。
近くの池では、睡蓮が咲いている。
この池には、カワセミが飛んでくる。



夕方近くになって、空は変貌しはじめる。



鱗が鮮明になってきた。



空が彩られていくと、鱗もまた彩られていくのだ。







「大夕焼空の硲(はざま)は雲の満つ」







家々が点景となっていく。
なんという変身であろうか。

余りの美しさに、ぼくは暫く視線を下げられなかった。
シャッターを切り続けていると、隣に若い男が立っている。
「綺麗ですね!」
そう言いつつ、スマフォで写真を撮っている。



雲の遊弋は、彩られて流れていく。
生々流転。

あたかも日本画のように繊細な色合いの空であった。



            荒 野人