實俳句は、本日お休み。
昨日の空が余りに見事だったから・・・。
朝からずっと、涼風が渡っていたイチョウ並木のベンチで、ぼくは家なき子のように座っていた。
見上げると、うろこ雲の片鱗が空を覆っていた。
まだ鮮明ではないけれど、これからきっと綺麗になっていくのだろうと思えたのである。
近くの池では、睡蓮が咲いている。
この池には、カワセミが飛んでくる。
夕方近くになって、空は変貌しはじめる。
鱗が鮮明になってきた。
空が彩られていくと、鱗もまた彩られていくのだ。
「大夕焼空の硲(はざま)は雲の満つ」
家々が点景となっていく。
なんという変身であろうか。
余りの美しさに、ぼくは暫く視線を下げられなかった。
シャッターを切り続けていると、隣に若い男が立っている。
「綺麗ですね!」
そう言いつつ、スマフォで写真を撮っている。
雲の遊弋は、彩られて流れていく。
生々流転。
あたかも日本画のように繊細な色合いの空であった。
荒 野人
昨日の空が余りに見事だったから・・・。
朝からずっと、涼風が渡っていたイチョウ並木のベンチで、ぼくは家なき子のように座っていた。
見上げると、うろこ雲の片鱗が空を覆っていた。
まだ鮮明ではないけれど、これからきっと綺麗になっていくのだろうと思えたのである。
近くの池では、睡蓮が咲いている。
この池には、カワセミが飛んでくる。
夕方近くになって、空は変貌しはじめる。
鱗が鮮明になってきた。
空が彩られていくと、鱗もまた彩られていくのだ。
「大夕焼空の硲(はざま)は雲の満つ」
家々が点景となっていく。
なんという変身であろうか。
余りの美しさに、ぼくは暫く視線を下げられなかった。
シャッターを切り続けていると、隣に若い男が立っている。
「綺麗ですね!」
そう言いつつ、スマフォで写真を撮っている。
雲の遊弋は、彩られて流れていく。
生々流転。
あたかも日本画のように繊細な色合いの空であった。
荒 野人