成川佐奈(永野芽郁)は起業家で、スタディ・アプリをリリースするIT企業『ドリームポニー』のCEO。
しかし、ドリーム・ポニーの経営はまだ順調でない。
幾多の困難が立ちはだかる。
そんな佐奈の起業を助け、エンジニアとして支える須崎功(杉野遥亮)。
そして元銀行員でITはシロウトだが、大人の知識で佐奈を支える小鳥智志(西島秀俊)。
永野芽郁さんは不思議で魅力的な女優さんだ。
基本ほんわかしていて「子犬のよう」という比喩がぴったりくる感じだが、それだけではない。
役によって、ほんわか以外のプラスアルファを加えて来る。
「3年A組」ではいじめと友情。親友の自殺の理由を解明しようとする強い意思。
「親バカ青春白書」では奥手な恋愛と父親思い。
「ハコヅメ」では職業意識(警察官)と上司との信頼。
このプラスアルファの表現力がすごい。
そしてコメディとシリアスを絶妙のブレンドで演じることができる。
そんな永野芽郁さんが満を持して主役を張ったのが今作『ユニコーンに乗って』だ。
永野さんの主演作には、他にも朝ドラ『半分、青い』などがあるが、この頃はまだ佐藤健、豊川悦司という俳優陣の中で暗中模索している感じだった。
ところが『ユニコーンに乗って』では堂々たる主役で、完全に作品を仕切っている。
永野芽郁さん、今後どんな役に挑み、どんな顔を見せてくれるのか?
この作品のモチーフのように永野芽郁さんが「ポニー」から「ユニコーン」になる時は近い。
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おっさん向けドラマでもある。
若き起業家の佐奈はさまざまな困難にぶち当たり、迷い苦悩する。
そんな佐奈を支えるひとりが須崎功だが、功はまだ若くて佐奈の力になかなかなれない。
そこで登場するのが、西島秀俊さん演じる小鳥智志だ。
小鳥はIT関連には弱いが、銀行で支店長を務めた経験がある。
これが佐奈をいろいろな場面で助ける。
佐奈にとって小鳥は佐奈にとって頼りになる存在。
功は同年代のイケメンだが、深い内面から佐奈を助けることはない。
そして全国のおっさんたちは夢を見るのである。
「自分たちも小鳥さんのようになれるかもしれない」と。笑
おそらく佐奈と小鳥の関係が恋愛に発展することはないだろうが、
佐奈みたいな子に信頼され、仕事で喜びを分かち合っていく小鳥に、おっさんたちはワクワクする。
それにしても西島秀俊さん、最近こういう役多いな。
『真犯人フラグ』でも芳根京子さんに好意を寄せられる役だったし、役得過ぎるだろう!
おのれ~、西島秀俊!
というか、西島秀俊さんになりたいっ!笑
以前『真犯人フラグ』の時にも書いたけど、
ドラマ製作者の皆さん、おっさん視聴者は大事ですよ。
おっさん視聴者で視聴率1%くらいは貢献する……多分。
佐奈と功の恋愛話だけだったら、この作品、少し物足りなかった。
それにしても、おっさんは寂しい……。
西島秀俊さんにはなれないのだから、せめて人柄だけでも小鳥さんになれるようにがんばろう!