平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂 「俺の使命は二度と戦地に送らんということだ!」

2012年09月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 『負けて、勝つ』第4回を見た。
 <戦後を創った男>というサブタイトルどおり、この作品には戦後が集約されている。

 たとえば、第4回での吉田茂(渡辺謙)と息子・健一(田中圭)のやりとり。
 健一は、警察予備隊(軍隊)を作ることと憲法9条は矛盾し、アメリカ軍が駐留することは真の独立ではないと食ってかかる。
「あなたは結局自分で何も決めていない。まるでダグラス・マッカーサーの奴隷だ。すべてをアメリカに託し、何もかもアメリカの言うとおりにしているうちに現実という鎖に繋がれがんじがらめになっている!」
 これに対して吉田茂。
「何もなし得ていない男に何がわかる?」
「確かに僕は何もなし得ていない。それが庶民というものだ」
「庶民か? お前たちはいつでもそうだ。自分を弱い立場に置いて、遠くから吠えるばかりだ。再軍備はしない、米軍の駐留は許さない。現実はどこにある? この冷戦下の中でどう日本を守るんだ? 日本を守るにはアメリカ以外はないんだ」
「日本を道連れにするのはやめて下さい」(一部抜粋)

 健一の主張は確かに正論だが、理想論でもある。
「庶民か? お前たちはいつでもそうだ。自分を弱い立場に置いて、遠くから吠えるばかりだ。再軍備はしない、米軍の駐留は許さない。現実はどこにある?」
 なんて吉田茂の言葉も考えさせられる。
 僕は、原発反対で金曜日・官邸前に立っているけれど、「自分を弱い立場に置いて、遠くから吠えるばかりだ。現実はどこにある?」と問われたら一瞬言葉を失ってしまうだろう。
 それでも僕は「原発反対!」と叫ぶけれど。

 健一が最後に言った「日本を道連れにするのはやめて下さい」というせりふも興味深い。
 健一の場合は、日本が再軍備しアメリカの影響下に入ったら、ふたたび戦争に巻き込まれることを危惧して「日本を道連れにするのはやめて下さい」と言っているのだが、原発の場合も同じことが言える。
 現実路線で原発を再稼働させて、もし再び事故が起こったらこの国は大変なことになる。
 だから僕も原発再稼働させて「日本を道連れにするのはやめて下さい」と言いたくなる。

 服部卓四郎(吉田栄作)を一喝した吉田茂のせりふも興味深い。
「売国奴っていうのはな、てめえのつまらないメンツや意地で国を戦争に巻き込むやつらのことだ。俺はこの国を守りたい。守るってことはいくさをしようってことじゃねえんだ。俺たちが大砲を撃ったら相手も大砲を撃ってくる。俺の使命は二度と国民を戦地に送らんということだ!」
 このせりふを、現在中国との戦争も辞さないと言っている石原慎太郎氏以下、戦争をしたがっている方々に送りたい。



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