高倉帝の義父になる清盛(松山ケンイチ)。
高倉帝の実父である後白河法皇(松田翔太)。
義父と実父の違いがあるとはいえ、すごろく遊びで清盛がいよいよ追いついてきた。
さて、<大きいものを喰らう>クイズ。
朝廷の人たちを「なるほど」と言わせた後白河法皇の答えは何だったのだろう?
答えは、人間の野心?
でも、野心の多い少ないは人によって違っているから、正解は<清盛の野心>ということだろう。
後白河法皇は、そんなとてつもなく大きな清盛の野心を喰らってみせると宣言した。
一方、清盛も喰われても腹を突き破って出てくると宣言した。
クイズを題材にして、ふたりの対決を表現した見事な作劇だ。
それにしても、朝廷の人間すべてが大きなものとして納得してしまう<清盛の野心>って……!!
世の中の頂点に立とうとする人間はこのくらいのパワーがないとダメなんでしょうね。
一方、清盛はダークサイドに走りつつある。
白河院(伊東四朗)の血が騒ぎ出している。
長女・徳子(二階堂ふみ)も高倉帝の妃になることを平然と受け入れる。
徳子にも白河院の血が受け継がれているからか?
このダークサイドは、風評で増幅されている。
政子(杏)は「清盛とはそんなに怖ろしい人物なのですか」とつぶやくが、現実の清盛は、時子(深田恭子)が病で倒れればあわてて駆けつけるような人間らしい面を持っている。
清盛自体の本質はそんなに変わっていないのに、まわりが勝手に怖れているということか?
このあたりの作劇は実に心憎い。
作品は混沌として複雑な方がコクがあって面白い。
昨年の『江』などは単純明快であったが、作品の深さやコクという点では物足りなかった。
まあ、これは見る人の好みに拠るものだけど。
さて、この清盛のダークサイド、どこまで振れるか?
清盛が皿に石を乗せて沈める描写は、壇ノ浦を思わせるのだが、考えすぎだろうか?
また清盛は、信西(阿部サダヲ)と比較して「平家には武力と財力があるから安泰だ」と考えているようだが、もうひとつの武力(源氏)の存在を忘れているようだ。
この時期、頼朝(岡田将生)がおとなしく引きこもっていたのは正解だったのかもしれない。
最後に建春門院・滋子役の成海璃子さん。
やっぱり成海さんって上手いですね。
見事な悪女を演じている。
それも「わたしは悪女です~」って感じじゃなくてさりげなく、ちょっとした表情で。
今回<大きなものを喰らう>クイズで、清盛と絡むシーンがあるが、全然清盛に圧倒されていない。
土曜日の再放送、成海さんの滋子を見るためにもう一度見てみよう。
※追記
クイズの答えについては、TBいただいた青いblogさんの答えになるほど!
詳しくは青いblogさんの記事を読んでみて下さい。
高倉帝の実父である後白河法皇(松田翔太)。
義父と実父の違いがあるとはいえ、すごろく遊びで清盛がいよいよ追いついてきた。
さて、<大きいものを喰らう>クイズ。
朝廷の人たちを「なるほど」と言わせた後白河法皇の答えは何だったのだろう?
答えは、人間の野心?
でも、野心の多い少ないは人によって違っているから、正解は<清盛の野心>ということだろう。
後白河法皇は、そんなとてつもなく大きな清盛の野心を喰らってみせると宣言した。
一方、清盛も喰われても腹を突き破って出てくると宣言した。
クイズを題材にして、ふたりの対決を表現した見事な作劇だ。
それにしても、朝廷の人間すべてが大きなものとして納得してしまう<清盛の野心>って……!!
世の中の頂点に立とうとする人間はこのくらいのパワーがないとダメなんでしょうね。
一方、清盛はダークサイドに走りつつある。
白河院(伊東四朗)の血が騒ぎ出している。
長女・徳子(二階堂ふみ)も高倉帝の妃になることを平然と受け入れる。
徳子にも白河院の血が受け継がれているからか?
このダークサイドは、風評で増幅されている。
政子(杏)は「清盛とはそんなに怖ろしい人物なのですか」とつぶやくが、現実の清盛は、時子(深田恭子)が病で倒れればあわてて駆けつけるような人間らしい面を持っている。
清盛自体の本質はそんなに変わっていないのに、まわりが勝手に怖れているということか?
このあたりの作劇は実に心憎い。
作品は混沌として複雑な方がコクがあって面白い。
昨年の『江』などは単純明快であったが、作品の深さやコクという点では物足りなかった。
まあ、これは見る人の好みに拠るものだけど。
さて、この清盛のダークサイド、どこまで振れるか?
清盛が皿に石を乗せて沈める描写は、壇ノ浦を思わせるのだが、考えすぎだろうか?
また清盛は、信西(阿部サダヲ)と比較して「平家には武力と財力があるから安泰だ」と考えているようだが、もうひとつの武力(源氏)の存在を忘れているようだ。
この時期、頼朝(岡田将生)がおとなしく引きこもっていたのは正解だったのかもしれない。
最後に建春門院・滋子役の成海璃子さん。
やっぱり成海さんって上手いですね。
見事な悪女を演じている。
それも「わたしは悪女です~」って感じじゃなくてさりげなく、ちょっとした表情で。
今回<大きなものを喰らう>クイズで、清盛と絡むシーンがあるが、全然清盛に圧倒されていない。
土曜日の再放送、成海さんの滋子を見るためにもう一度見てみよう。
※追記
クイズの答えについては、TBいただいた青いblogさんの答えになるほど!
詳しくは青いblogさんの記事を読んでみて下さい。
>一方、清盛も喰われても腹を突き破って出てくると宣言した。
普通の人なら「恐れ入りました」となるところ、そうでないところが清盛。
そしてこのように挑戦的な態度を「ゾクゾクする」と言って歓迎する後白河の心理を清盛が読んでいるところは「太宰の大弐」を獲得した場面の再現を感じました。
>清盛自体の本質はそんなに変わっていないのに、まわりが勝手に怖れているということか?
>このあたりの作劇は実に心憎い。
たしかにそうですね。
ただ、清盛のダークサイドを一身に担っているのは何と言っても時忠。
「平家にあらずんば人にあらず」という有名な台詞ですが、本作では一般に理解されているような「驕り」の文脈ではなく、自分のdirtyな役割への開き直りを示す台詞とされているように思いました。
禿の登場場面には何故か見入ってしまいます。
特にリーダー格の少年を演じている小柄な美形の女優さんがいいですね。
基本的には終始無表情ですが、八条院の前に現れた時だけわずかに薄笑いを浮かべていました。
台詞は一切ない中でのこうした微妙な演技が禍々しい迫力を生み出しています。
来週はこうした時忠と禿を真っ向から批判していた兎丸にスポットが当たるようですが、タイトルから見てこれで退場でしょうか。
今回の雰囲気、そして義賊を自認して自分なりの正義感から海賊働きをしていた彼としては、「ダークサイドについてゆけずに離反」という筋書きが予想されますが。
しかし兎丸はオリジナルキャラなので自由に描けますので、想像を越えるような見事な花を咲かせてやってほしいと思います。
いつもありがとうございます。
おっしゃるとおり、禿の描写は見事ですね。
普通なら剣などをちらつかせ、脅しのひと言でも言う所ですが、それをしない。
赤い装束と無言が逆に怖い。
こういう怖さがあるんですね。
>兎丸はオリジナルキャラなので自由に描けますので、想像を越えるような見事な花を咲かせてやってほしいと思います。
同感です。
ふり返ると、兎丸は平家の明るさを表現するいいキャラクターでしたね。
かつての海賊が時忠を諫めるという図式も、時忠の暗さやダークサイドを表現するのに効果を発揮している。
兎丸の進退が当初からこんなふうに設定されていたとしたら、やはり見事な構成力だと思います。
さて次回、どのように描写されるか?