前半はコメディ。
★光源氏のような殿方が現れるのを願う時子(深田恭子)の前に「厠はどこじゃ~!」と現れる清盛(松山ケンイチ)!
★明子(加藤あい)の話を聞いて、「そのお方はまさに光る君、高貴なお方」と夢想する時子の前に現れる清盛!
★佐藤義清(藤木直人)に妻がいることを聞いて、「そうか、妻が」とつぶやいて、その後に「ええっ!」と驚くノリツッコミの清盛!
★「どうかまた(明子に)会えますように」と神に手を合わせる清盛の後ろに現れる明子!
★明子からの返歌を読む清盛。その感想は「さっぱりわからんぞ!」。
この5つのギャグ、全部オチを予想できてしまう<ゆるさ>がいい。
大河ドラマのギャグのキレはこんなもんでしょうね。
しかし、後半はストレート。
「歌など交わすのは性に合わぬ」と乗り込んできて清盛は「代作」を詫び、結婚を申し込む。
明子が不安を口にすると
「みくびるでない!俺が住吉明神のお導きでそなたを思うておると申すか? 俺は、そなたと会うた時、なんと清げなる女かと思うた! そなたの夕餉を食い毎日食いたいと思うた! 海賊やから船の話に目を輝かせているそなたを見て、生涯俺のそばにおってほしいと思うた! 俺は、俺の心に従い、そなたを妻にしたいと申しておるのじゃ!」
とまっすぐな剛速球をぶつけた。
このあたりは実に清盛らしい。
これを受けた明子のせりふも上手い。
「海に行きとうございまする。清盛様の目に映る広い広い世界を見とうございまする」
明子は清盛の<海>の話に惹かれていたんですね。
同じ話を「おなごにそのような恐ろしい話するのですか」とリアクションした時子とは大きな違い。
そう言えば、清盛が明子に海の話をしたシーンの、橋と緑の木々は美しかった。
映像のことがいろいろと話題になっているこの作品だが、ワンシーンにこれだけ作り込んだ情景を見せてくれることを評価すべきであろう。
そして一族への紹介。
忠盛(中井貴一)に明子のどこに惹かれたのかと聞かれて、清盛は堂々と答える。
「明子殿は、つまらぬ戯言に惑わされることなく、どんな事もおのが力で乗り越えようとするおなごです。かようなお人と、楽しき時も苦しき時も、共に面白う生きていきたい。そう思いましてござりまする」
まだまだ子供の清盛にしては立派すぎる発言だが、これが<夫婦>というものでしょうね。
<楽しき時も苦しき時も、共に面白う生きていきたい>。
<楽しき時>は、まだいいとして、<苦しき時>は関係が壊れがち。
苦しい時に共に歩むから、本当の絆が出来る。
この点、物語の中にいる時子はまだまだですかね。
物語の世界が崩れて、厳しい現実が現れた時、おそらく夫への想いが覚めてしまうだろう。
もっとも明子が清盛のプロポーズを受け入れた後の、時子がひとり寂しそうに歩くシーンは様々なことを暗示している。
おそらく清盛と明子のやりとりを見た時子は、<本当の恋愛>とは何かを考えたのだろう。
つまり、<本当の恋愛>とは<物語の世界>とはまったく違ったものであること。
本当に好きになる男性というのは<光らない君>であるということ。
また、鳥羽院の皇子がほしいという得子(松雪泰子)も、結局は璋子(檀れい)に負けたくないという想いからで、鳥羽院を愛しているわけではない。
得子と比べると、清盛と明子の関係は実にさわやかですね。
★光源氏のような殿方が現れるのを願う時子(深田恭子)の前に「厠はどこじゃ~!」と現れる清盛(松山ケンイチ)!
★明子(加藤あい)の話を聞いて、「そのお方はまさに光る君、高貴なお方」と夢想する時子の前に現れる清盛!
★佐藤義清(藤木直人)に妻がいることを聞いて、「そうか、妻が」とつぶやいて、その後に「ええっ!」と驚くノリツッコミの清盛!
★「どうかまた(明子に)会えますように」と神に手を合わせる清盛の後ろに現れる明子!
★明子からの返歌を読む清盛。その感想は「さっぱりわからんぞ!」。
この5つのギャグ、全部オチを予想できてしまう<ゆるさ>がいい。
大河ドラマのギャグのキレはこんなもんでしょうね。
しかし、後半はストレート。
「歌など交わすのは性に合わぬ」と乗り込んできて清盛は「代作」を詫び、結婚を申し込む。
明子が不安を口にすると
「みくびるでない!俺が住吉明神のお導きでそなたを思うておると申すか? 俺は、そなたと会うた時、なんと清げなる女かと思うた! そなたの夕餉を食い毎日食いたいと思うた! 海賊やから船の話に目を輝かせているそなたを見て、生涯俺のそばにおってほしいと思うた! 俺は、俺の心に従い、そなたを妻にしたいと申しておるのじゃ!」
とまっすぐな剛速球をぶつけた。
このあたりは実に清盛らしい。
これを受けた明子のせりふも上手い。
「海に行きとうございまする。清盛様の目に映る広い広い世界を見とうございまする」
明子は清盛の<海>の話に惹かれていたんですね。
同じ話を「おなごにそのような恐ろしい話するのですか」とリアクションした時子とは大きな違い。
そう言えば、清盛が明子に海の話をしたシーンの、橋と緑の木々は美しかった。
映像のことがいろいろと話題になっているこの作品だが、ワンシーンにこれだけ作り込んだ情景を見せてくれることを評価すべきであろう。
そして一族への紹介。
忠盛(中井貴一)に明子のどこに惹かれたのかと聞かれて、清盛は堂々と答える。
「明子殿は、つまらぬ戯言に惑わされることなく、どんな事もおのが力で乗り越えようとするおなごです。かようなお人と、楽しき時も苦しき時も、共に面白う生きていきたい。そう思いましてござりまする」
まだまだ子供の清盛にしては立派すぎる発言だが、これが<夫婦>というものでしょうね。
<楽しき時も苦しき時も、共に面白う生きていきたい>。
<楽しき時>は、まだいいとして、<苦しき時>は関係が壊れがち。
苦しい時に共に歩むから、本当の絆が出来る。
この点、物語の中にいる時子はまだまだですかね。
物語の世界が崩れて、厳しい現実が現れた時、おそらく夫への想いが覚めてしまうだろう。
もっとも明子が清盛のプロポーズを受け入れた後の、時子がひとり寂しそうに歩くシーンは様々なことを暗示している。
おそらく清盛と明子のやりとりを見た時子は、<本当の恋愛>とは何かを考えたのだろう。
つまり、<本当の恋愛>とは<物語の世界>とはまったく違ったものであること。
本当に好きになる男性というのは<光らない君>であるということ。
また、鳥羽院の皇子がほしいという得子(松雪泰子)も、結局は璋子(檀れい)に負けたくないという想いからで、鳥羽院を愛しているわけではない。
得子と比べると、清盛と明子の関係は実にさわやかですね。
兎丸に「ついてきたことを後悔させぬ」と断言し、鱸丸を盛康の養子として武士に取り立てる。
初めての恋に戸惑い、一時は佐藤義清に歌の代作を依頼するものの、最後は堂々と
>まっすぐな剛速球をぶつけた。
しかしながら「自分の気持ちに忠実に」決断するという、現代人の基準からすれば格好良い清盛の行動は、平家一門にとっては問題だったようです。
一門全体の地位向上の好機を逸するばかりか、宗子のいとこである家成の好意を無にするマイナスもあり、さらには一門内部の軋轢まで暗示されています。
そうした事情をすべて承知の上で清盛の決断を是認した忠盛はいつもながらに偉大ですが、今回の忠盛を支えたのは若き日の彼自身の経験でしょう。
「遊びをせむとて……」という例の今様を口ずさむ場面は、明らかに忠盛が舞子のことを思い出していることを示しています。
白河院に殺され添い遂げることはかなわなかったものの、彼は一門の反対を押し切って舞子を最初の妻とし、平太を嫡男としたのでした。
やや深読みですが、この場面で宗子は自分が入って行けない忠盛の心の中に舞子の存在を感じていたようにも思います。
考えてみれば、明子の面影は舞子そのままのように見えます。
まず、我々は重盛、基盛という2人の男子を遺して若くして病死する明子の運命を知っているせいか、彼女には儚げな「薄幸の美女」のイメージがあります。
出自の身分の低さ、芯の強さ、また自分の手で家事を行うことを厭わぬところなども舞子そのままです。
亡き舞子vs宗子の深く静かな「女の闘い」と対照的なのが璋子vs得子。
「嫌味ならまだよい。あれはまこと祝いをしに参ったのじゃ」。
双方の女房たちは通常レベルの反目をする中、さすがに聡明な得子は璋子の正体を正確に見抜いています。見抜いた上での激怒。
「皇子がほしい」と言って鳥羽院を襲い押し倒す-前々回とは逆に-場面では思わず笑ってしまいました。
高階通憲といい、得子といい、本作は頭の良い人間をやや道化気味に描く戦略をとっているように思います。
いつもありがとうございます。
>「遊びをせむとて……」という例の今様を口ずさむ場面は、明らかに忠盛が舞子のことを思い出していることを示しています。
あそこで忠盛が「遊びをせむとて……」を口ずさんだのは、こうした意味があったのですね。
明子を見て舞子を見い出し、青春時代の舞子に寄せた思いを思い出した。
そして宗子の嫉妬。複雑な思い。
拡がる平家一門の波紋。
今作はいろいろ人間関係を複雑に作りますね。
もつれた糸をどのように解きほぐしていくのか、とても楽しみです。
それと崇徳天皇の歌の使い方も上手かったですね。
あの歌が清盛の気持ちを表現することにまで繋がるとは。
実に心憎い作劇だと思いました。
>清盛が明子に海の話をしたシーンの、橋と緑の木々は美しかった。
私も ここの映像が目に残っています
美しいなぁ! と思いました
と同時に あのような土木技術が既にあったのか?なんて思いました
石造りに苔むしたような橋に見えました
弁慶が牛若丸から刀を奪う五条大橋は木製ですよね?
私は ドラマ自体を あまり楽しめてなかったようです
松山ケンイチさんを嫌いなわけじゃないのですが 何故でしょう?
清盛は これから宮廷での立身出世を果たしていくわけですがワクワク感が無いのです
世の中が大きく変わるわけではなく
革命的じゃないからでしょうか?
それなら見るなって話ですよね
忠盛退場が潮時かもしれません
それと 璋子は得子よりも16才年上でしょう
あの時代ならば 母子ですよね
(息子の崇徳帝に入内する予定だったんですもんね)
やはり人それぞれですね。
僕もダイナミックな作品が好きで、宮廷のドロドロを描く平安物などは敬遠していたのですが、「清盛」は面白く見ています。
ポイントは清盛に感情移入できるかどうかですよね。
現在のところ、僕と清盛はシンクロしていて、清盛の少しずつの成長や心の動きが手に取るようにわかります。
明子への歌を代筆させるようなところは、清盛ならやるだろうなと笑い、海を思いを馳せる明子にも何と素敵な女性なんだと思ってしまいます。
あと作品の世界に入るのを妨げるのは、史実ってやつですよね。
>璋子は得子よりも16才年上
なんてことを知ってると、作品に入り込めなくなる。
なので、僕はこれはフィクションなんだと割り切って、作品が提供してくれるものを純粋に楽しむようにしています。
それに尽きますね
私は 彼に全く感情移入できません
いつまでも
図体ばかりでかい「アホ息子」だったのがダメだったのかも?
韓国ドラマの話ばかりで恐縮ですが
『朱蒙』という高句麗を建国をした人の長編ドラマがあります
長編故に 彼がなかなか成長しないんです
いつまでたってもバカばかりやってるんです
それでも気長に待てたのは主演俳優を
当時の私が熱愛していたからです(笑)
私も同感。
コウジさんが清盛にシンクロしておられ、熱く語っておられるのはよくわかります。
他方、正直言って私自身の感じ方はどちらかと言えばmegumiさんに近く、清盛については「いずれ感情移入できるようになるだろう」という期待のもとに見ています。
これまでの書き込みを見ていただければ分かるとおり、これまでのところ、私は忠盛に感情移入してます。
だから今回も、忠盛が自分自身が若い頃平家一門の総意に反する行動をしたからこそ、平家一門の思惑に反する清盛を許せるのだなあ、などといった方向に注意が向くわけです。
また、清盛についてもやや距離を置いて、意識レベルでは記憶もない-前回「遊びをせむとて……」と同趣旨の李白の詩に反応する深層意識が暗示されていましたが-実母の面影を宿す女性に惹かれるのだなあ、などと見ているわけです。
私も本来ドロドロした愛憎劇は重くて苦手ですが、それは当事者に感情移入する-男の私でも女性キャラに感情移入することは当然あります-からだと思います。
しかし、璋子も得子もエキセントリックな人物像であるため、全然感情移入しないがゆえに、野次馬根性的に楽しんで見ていられるのだろうと思います。
そうですね
初回で描かれた忠盛と舞子の 奥ゆかしくも激しい愛に心打たれてしまったので
そのあとが なんとも残念な気分なのでしょう
舞子を熱演した吹石一恵さんと
50才ながら初々しく青年・忠盛を演じた中井貴一さんに 全て持っていかれた感じでいます
もちろん
ほかの演技陣も頑張っているし適材適所も多いと思っていますよ
歴史ドラマを見る時
私は 地図や年齢がすごく気になります
フィクションだと思いながらも
ついつい この時 この人は幾つだったの?
どれくらいの距離を旅してきたの?
と調べたくなります
石頭な私はドキュメンタリーでも見てればいいのに・・・ね
megumiさんは、初回の<忠盛と舞子>に感情移入されましたか。
逆に僕は結構、覚めて見ていました。
<矢で殺されて、引き裂かれる悲恋>って、どこか大時代的で、ウソっぽくて。
これと同じ系統としては、シェークスピアの作品群があるのですが、同じように僕はシェークスピアがつまらないんです。
やはり人それぞれですね。
>私は 地図や年齢がすごく気になります
もちろん、地図や年齢って大事ですよね。
作家や作り手にはこだわってほしい部分。
これを忠実にやることで、歴史上の人物の本当の姿が見えてくると思いますし。
ただ、われわれが生きている日常がだらだらと流れていくのと同じように、これらを忠実にやると退屈になるのも真実。
フィクションと史実の兼ね合いというのは実に難しいですね。
程よいブレンドで、心地いい味と香りを提供してくれるといいのですが。
主人公への感情移入。
要はシンクロ率ですよね。
僕の場合、清盛のシンクロ率は80%。
TEPOさんの場合は、60%?
megumiさんの場合は、30%?みたいな。
それは人間関係と同じで、こいつと友達になりたいか、なりたくないか、といった感じなのかもしれません。
<野次馬根性的な見方>って、面白いですね。
僕も璋子と得子の争いをそんなふうに見ています。
鳥羽院に対しても同じで、鳥羽院に感情移入して見ていたら、大変でヘトヘトになってしまいますよね(笑)
<野次馬根性的な見方>でも作品を楽しんでいきたいと考えています。
> <矢で殺されて、引き裂かれる悲恋>
私も大人ですから この場面は如何なものかと思いましたよ
ここではありません
(シェークスピアは子供の時に本で読んだだけですので 舞台や映画は全く知りません
見たのは オリビア・ハッセーの出た「ロミオとジュリエット」くらいですよ)
川での2人の語らいまでです
源為義によって 舞子が捕われる寸前までの
2人の描写が好きだったのです
お互いに想い合っているのが ほんのり分る感じでした
長丁場ですから
清盛が 共感できる主人公になるのを待てれば待つつもりです
出演者が豪華ですから 楽しめるものならば
楽しみたいです