現在、僕たちが使っている文字は2次元だ。
平面(紙など)に上下左右の文字を書いている。
そして僕たちは文字よりも次元がひとつ上の3次元空間を認識している。
映画『メッセージ』に登場する宇宙人ヘプタポッドが使っている文字は3次元だ。
彼らの文字には上下左右の他に奥行きがある。
※ヘプタポッドの文字。円形で繋がっている。
では3次元の文字を使うヘプタポッドはどのように世界を認識しているのか?
4次元世界である。
なぜなら彼らの使っている文字が3次元なので、
認識できる世界はひとつ次元が上の4次元なのだ。
では4次元の世界とはどのような世界なのか?
空間と時間が融合した世界。
つまり過去、現在、未来という概念がない世界。
一瞬で過去も未来も見ることのできる世界である。
………………………………………………………………………………
映画『メッセージ』はこんなテーマを描いた作品である。
主人公の言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)は飛来した宇宙人ヘプタポッドの言語を
解析していくうちに「未来」が見えるようになる。
未来が見えるようになって、人類とヘプタポッドが戦争を始めるのを妨げる。
同時にルイーズは自分の未来も知る。
将来、自分に起こる悲劇(娘のハンナが癌で死んでしまう未来)を目の当たりにする。
その事実を知ってルイーズはどのような行動を取るのか?
娘の死を回避するため結婚しないのか?
でも、それはできない。
未来を変えることができないからだ。
そこでルイーズは運命を受け入れ、娘と過ごす一瞬一瞬を大切に生きていこうと考える。
あるいは
過去と未来を自在に見られるルイーズはいつもで娘のハンナに会えるのかもしれない。
ハンナの死は一過性のもので、そんなに悲しむべきことではないのかもしれない。
………………………………………………………………………………
最近SF小説を積極的に読むようにしている。
もともと文系の人間なので、読むのは大変だ。
時間、空間、重力、量子、生命、相対性理論──
10ページ読んで立ち止まり、前の部分を読み返したりして奮闘している。
それでもSF小説を読もうとしているのはSF的な思考を身につけたいからだ。
それは、今作のルイーズがヘプタポッドの言語を理解しようとしていることに似ている。
ヘプタポッドの言葉を理解した結果、ルイーズはヘプタポッドの見ている時間を超越した世界を
知ることができた。
僕もSF小説を格闘することで、新しい世界の見方を自分のものにしたい。
現在、人類はすべてにおいて行き詰まっている気がする。
思考方法は有史以来ほとんど変わっていない。
このままだと人類は滅びる種になるのではないか?
それを回避するには、思考のバージョンアップが必要だと思う。
旧人類から覚醒した新しい人類へ。
今作では「新たな言語を得ることが覚醒に繋がる」と描いているが、そうかもしれない。
今作の原作はネビュラ賞を受賞した、テッド・チャンのSF小説『あなたの人生の物語』。
現在、僕の机の上には本作を含めて20冊くらいのSF小説が置かれているが、
読み終えるのにどれだけの時間がかかるのか?
でも、ワクワクしている。
平面(紙など)に上下左右の文字を書いている。
そして僕たちは文字よりも次元がひとつ上の3次元空間を認識している。
映画『メッセージ』に登場する宇宙人ヘプタポッドが使っている文字は3次元だ。
彼らの文字には上下左右の他に奥行きがある。
※ヘプタポッドの文字。円形で繋がっている。
では3次元の文字を使うヘプタポッドはどのように世界を認識しているのか?
4次元世界である。
なぜなら彼らの使っている文字が3次元なので、
認識できる世界はひとつ次元が上の4次元なのだ。
では4次元の世界とはどのような世界なのか?
空間と時間が融合した世界。
つまり過去、現在、未来という概念がない世界。
一瞬で過去も未来も見ることのできる世界である。
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映画『メッセージ』はこんなテーマを描いた作品である。
主人公の言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)は飛来した宇宙人ヘプタポッドの言語を
解析していくうちに「未来」が見えるようになる。
未来が見えるようになって、人類とヘプタポッドが戦争を始めるのを妨げる。
同時にルイーズは自分の未来も知る。
将来、自分に起こる悲劇(娘のハンナが癌で死んでしまう未来)を目の当たりにする。
その事実を知ってルイーズはどのような行動を取るのか?
娘の死を回避するため結婚しないのか?
でも、それはできない。
未来を変えることができないからだ。
そこでルイーズは運命を受け入れ、娘と過ごす一瞬一瞬を大切に生きていこうと考える。
あるいは
過去と未来を自在に見られるルイーズはいつもで娘のハンナに会えるのかもしれない。
ハンナの死は一過性のもので、そんなに悲しむべきことではないのかもしれない。
………………………………………………………………………………
最近SF小説を積極的に読むようにしている。
もともと文系の人間なので、読むのは大変だ。
時間、空間、重力、量子、生命、相対性理論──
10ページ読んで立ち止まり、前の部分を読み返したりして奮闘している。
それでもSF小説を読もうとしているのはSF的な思考を身につけたいからだ。
それは、今作のルイーズがヘプタポッドの言語を理解しようとしていることに似ている。
ヘプタポッドの言葉を理解した結果、ルイーズはヘプタポッドの見ている時間を超越した世界を
知ることができた。
僕もSF小説を格闘することで、新しい世界の見方を自分のものにしたい。
現在、人類はすべてにおいて行き詰まっている気がする。
思考方法は有史以来ほとんど変わっていない。
このままだと人類は滅びる種になるのではないか?
それを回避するには、思考のバージョンアップが必要だと思う。
旧人類から覚醒した新しい人類へ。
今作では「新たな言語を得ることが覚醒に繋がる」と描いているが、そうかもしれない。
今作の原作はネビュラ賞を受賞した、テッド・チャンのSF小説『あなたの人生の物語』。
現在、僕の机の上には本作を含めて20冊くらいのSF小説が置かれているが、
読み終えるのにどれだけの時間がかかるのか?
でも、ワクワクしている。
>今作では「新たな言語を得ることが覚醒に繋がる」と描いているが、そうかもしれない。
興味深かったのは、この宇宙人は「時間」の認識は非常に優れていたものの、物理的な「移動」の概念は貧弱で、たとえば、走ることも歩くことも泳ぐことも「時間の経過とともに物体が座標を変える」ことで、ほとんど一緒くたに認識されていた、というくだりですね。
どこかアフリカの民族の言葉では、ライオンが「走る」ことと、象が「走る」ことを区別するそうですが、ライオンの走りと象の走りを同じ言葉で表すわたしたちは、アフリカ人から見れば宇宙人のように見えるのかもしれません。
たとえものにならなくても、外国語の学習は必要なのかもしれません。
いつもありがとうございます。
アフリカの「走る」はさまざまなバリエーションを持っているんですね。
逆に日本語は「色彩」に関する表現が豊か。
「翠」「青緑」「草色」「緑青」「碧」「翠緑」「苔色」「藍緑」「深緑」etc
これが文化なんですよね。
おそらくアフリカにはさまざまな動物がいるので、「走る」のバリエーションが多いのでしょう。
>外国語の学習は必要なのかもしれません。
おっしゃるとおり、違う言語を取得することで考え方の構造が変わってくると思います。
作中にも出て来ましたが、「言語は思考を決定する」んですよね。
「移動」に関しては、おそらくヘプタポッドが四次元の存在なのだからでしょう。
四次元が何たるかをまだ理解できていないので、ここまでしか語れないのですが。