平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

どうする家康 第32回「小牧長久手の激闘」~伏線回収! 今川義元、織田信長、武田信玄に鍛えられて家康は強くなった                                                                

2023年08月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 家康(松本潤)がここまでやって来られた理由はこれだ。
「今川義元に学び、織田信長に鍛えられ、武田信玄に兵法を学び、良き家臣がいたから」

 伏線回収である。
 戦国の名将たちと交わり、学ぶことで家康と徳川軍団は成長し、強くなった。
 特に信長(岡田准一)。
 信長が家康をこき使っていたのは、家康を鍛えるためだったのではないか?
 そんな信長の思いが想像される。
 実際、家康は信長に試練を与えられていたことで強くなった、と今回語った。
 秀吉(ムロツヨシ)もそれを実感していた。
「信長様がこき使ってとんでもねえ軍勢をつくった」

 与えられた試練の中、家臣たちも成長した。

・榊原康政(杉野遥亮)
 武力では力を発揮できないと考え、図面造りなど、知力で徳川に貢献しようと考えた。

・本多忠勝(山田裕貴)
 武勇にますます磨きがかかった。
「一度も傷をつけられたことがない」は今や伝説で、忠勝が来ただけで敵兵は怖れおののく。

・井伊直政(板垣李光人)
「武田の赤備え」は敵の心を折るのには十分なブランドだ。
 直政はそんな武田の旧家臣たちを手なづけた。

・酒井忠次(大森南朋)
 家臣団をまとめあげ、家康に的確なアドバイスをする老練な武将だ。
 率先して「えびすくい」をするなど、ムードメーカーでもある。

 これが徳川四天王。
 本多正信(松山ケンイチ)は四天王には入らないらしい。笑
 今回は秀吉の策を見破ったのにねえ。

 いずれにしても家康には強固な家臣団がいる。
 かつて家康に敵意をいだいていた井伊直政、本多正信も取り込んだ。
 家康が彼らを許したのは、正信が言うには「憎んだり恨んだりするのが苦手だから」
 確かに。
 憎しみや恨みは時に強烈な力を発揮するが、長くは続かない。
 最終的には自分に跳ね返って来る。
 それよりは許して仲間にした方が自分が豊かになる。

 さて石川数正(松重豊)。
 今回の小牧長久手の戦いでは見せ場がなかったようだが、何を考えているのだろう?
 早期、和睦の策も取り入れられなかった。
 一方で、皆が小牧長久手の勝利に酔う中、ひとり冷静に情勢を分析していた。
 秀吉は二の手、三の手を打ってくるだろうし、
 織田信雄(浜野謙太)が不安材料であることも見破っていた。

 石川数正の出奔。
 数正は、秀吉の懐に入り込んで情報を得たり攪乱する「スパイ」になろうとしているんじゃないのかな?
 徳川家臣団は充実していて、自分がいなくてもやっていける。
 特に家康を補佐し、家臣をまとめる役には酒井忠次がいる。
 そんな中、自分ができることと言ったら、敵の懐に入るスパイ。
 数正はこう考えたのではないか?

 そして秀吉。
 秀吉は「評判」や「ブランド」が重要であることを知っている人物だった。
 秀吉にとって、農民の出であることはコンプレックスだ。
「天下を簒奪した」という評判もマイナスに働く。
 そして今回の小牧長久手の敗北。
 10万の兵が大敗したことは自分のブランドに傷がつくと考えた秀吉は
「わしの策でねえ。池田が無理強いしたと言いまくれ」
 少し前までは「岡崎への中入り」は自分の策だと言っていたのに……。

 さまざまな人物の思いを描いて、実に面白い小牧長久手の戦いだった。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最高の教師~芦田愛菜と當真... | トップ | 原発処理水、24日放出~岸田... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
家康家臣団 (TEPO)
2023-08-21 21:24:44
小牧長久手の戦いは、普通「引き分け」、少し詳しい評だと「軍事的には家康の勝ち、政治的には秀吉の勝ち」と言われているようです。
今回は「軍事的には勝ち」の部分だったので、家康視点の視聴者にとっては気分良く見ることが出来る回。
本多正信―どうやら本当に有能な「軍師」らしい―が「中入り」の可能性を指摘し、秀吉に悟られぬように「中入り勢」を叩くための出撃路を家中一丸泥だらけになって突貫工事、そして見事に勝利を収める。
徳川家臣団(「四天王」+正信)の雄姿のお披露目でした。
本多忠勝と榊原康政、井伊直政と本多正信をそれぞれペアにして語らせたのも効果的で、特に直政、正信組はご指摘のとおり「殿の命を狙った」元敵。

対する秀吉側では、徳川側に「四天王」の呼称を使い始めたのに呼応するかのように、加藤清正、福島正則が登場。
しかし、やはり圧巻なのは秀吉自身。
池田恒興と森長可の戦死をむしろ肯定的に捉える「頭の切り替え」の早さ。
両名は織田家中で秀吉を支持したことで恩着せがましい態度をとっていたので、厄介な存在だと感じ始めていました。
そして、素早く的確な情報戦を展開する。

さて、石川数正の出奔はいよいよ次週のようです。
コウジさんは何度か「スパイ」説を書いておられますが、果たしてどう描かれるのでしょうか。
秀吉の「凄み」「恐ろしさ」が暗示されていましたので、今回とは逆に家康視点からはかなり辛い展開になるような気がしています。
返信する
Unknown (ロギー)
2023-08-21 21:31:56
ネットでは忠勝たちがカッコイイと賞賛されてますが、私も同感です。
しかし、長久手の勝利何て所詮は局地戦です。
この位の勝利で浮かれるのは情けなかったです。
一正のように冷静に先を考えてほしかったです。
忠次と(一応正信)は一正の考えを理解してますがね。

それにしても、秀吉は腹黒ですね。
恒興父子と娘婿の長可の戦死は確かに痛手でも、あいつらに失敗を全て擦り付けてダメージを最小限にしながら、あいつらがいなくなって自分の思う通りにやりやすくなったと考える秀吉は強かで切れますね。


戦争で重要なのは戦略と政略で、戦術の勝利何て物は些末な事ですからね。
ここから、徳川は秀吉の圧力に苦しめられて家康は有能な家臣を一人失って、自分の足りなさを気付くでしょうね。
返信する
秀吉からも学ぶ家康 (コウジ)
2023-08-22 08:41:21
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>池田恒興と森長可の戦死をむしろ肯定的に捉える「頭の切り替え」の早さ。
そうそう。ここ、忘れていました。
秀吉はマイナスをプラスに転じるのが上手いですよね。
転んでもタダでは起きない。
あるいは、中入りの失敗で池田恒興たちがいなくなる可能性も考えていたのかもしれません。
信長の死の予想した時もそうでしたが、秀吉は先読みの天才ですよね。
「凄み」「恐ろしさ」があります。

正信が軍師として働いたことは、正信ファンの僕としてはうれしいかぎりです。
相変わらず、泥まみれになったり、汗を流すことは嫌いなようですが。笑

秀吉の政治的勝利。
今川義元、信長、信玄から学んだ家康は秀吉からも学ぶのかもしれませんね。
石田三成の追いつめ方などは秀吉の手法を思わせます。
返信する
戦術<戦略 (コウジ)
2023-08-22 08:53:26
ロギーさん

いつもありがとうございます。

カッコイイ徳川四天王。
僕がフォローしているブロガーさんが書かれていましたが、酒井忠次は別として、ちょっと線が細いのが気になります。
何というかイケメンすぎる。笑
大河「風林火山」の家臣達は、千葉真一さんなど暑苦しいおっさんでしたからね。

戦術と戦略。
おっしゃるとおり、戦争では戦略が大事なんですよね。
戦術的にいくら小さな勝利を重ねても、戦略で負けたら、それまでの勝利は無に帰してしまいます。

TEPOさんの所でも書きましたが、家康は秀吉から戦略を学んでいくのだと思います。
返信する

コメントを投稿

大河ドラマ・時代劇」カテゴリの最新記事