平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

古畑任三郎 三谷幸喜さんが言いたかったこと その2

2009年11月13日 | 推理・サスペンスドラマ
 古畑任三郎「最も危険なゲーム」を見た。
 江口洋介さんの犯人が地下鉄テロを偽装する話。

 ここでも三谷幸喜さんが古畑のせりふを通して言いたかったことが表現されていましたね。
 誰を傷つけることなく金銭を強奪した完全犯罪に酔う犯人の日下光司(江口洋介)。
 そんな日下に古畑はグサリ。
 「誰も傷つけていないって本当ですか。彼は立派な被害者です」
 彼とは地下鉄管理局の武藤田局長(佐々木いさお)のこと。
 武藤田は事件が起こらなければ退職金をもらって平穏な退職生活を送ることが出来た。
 しかし事件のせいで会社から責任をとらされるのは必定。平穏な退職生活にも陰を落とす。
 古畑は武藤田の<痛み>に想像力が働かない犯人の日下を責めているのだ。
 日下のやったことは誰も傷つけない完全犯罪などではない。立派に人を傷つけている。
 そのことに想像がおよばない日下に怒っているのだ。

 これはゲーム感覚で行われる犯罪への三谷さんの意見。
 日下は自分の犯罪を<ゲーム>だと言ったが、ゲームを現実でやられたら確実に人が傷つくのだ。
 三谷さんは<他人の痛みを感じる想像力を持て>と主張している。
 古畑はこうも言っている。
 「私は自分の犯した罪を罪と思わない人間を最も憎みます」

 ということで僕は古畑任三郎という刑事を誤解していた。
 ゲーム感覚で犯人との頭脳合戦を楽しむ刑事だとばかり思っていた。
 ところが古畑は<人間としての芯>をしっかり持っている。
 思えばそれは木村拓哉さんが犯人の事件、津川雅彦さんが犯人の事件でも表現されていた。

 この話のラストシーン。
 ゲーム感覚の犯罪への哀しみであろうか、「ちょっと散歩に行ってくる」と言って球場をひとり歩いていく古畑の後ろ姿は実に寂しそうだった。

※追記
 こんなエピソードがあった。
 西園寺(石井正則)の携帯には出るが、今泉(西村雅彦)の携帯には出ない古畑。
 自分は完全に古畑に見捨てられた?寂しい今泉。
 でもラスト、今泉は古畑にパシッとおでこを叩かれる。
 うれしそうな顔をする今泉。
 おでこを叩かれて今泉は古畑の愛情を感じたんですね。
 こういう脇キャラに対する細かい愛情。
 三谷さんの作品は実に優しい。

 三谷幸喜さんが言いたかったこと その1はこちら


 

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