平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

今週、妻が浮気します 第8話

2007年03月07日 | ホームドラマ
 今回は陶子(石田ゆり子)の心情を様々に描いた。

 まずは自分の不満を理解してくれないハジメ(ユースケ・サンタマリア)への怒り。結果、息子を連れて家を出た。

 しかし、実家の父親からは怒鳴られ、会社や近所でも別居がウワサに。
「(息子を迎えにいかなくてはならないので)6時までの書類を直してほしい」という陶子の指示も後輩から拒絶される。硬派にしてみれば、6時までというのは陶子の都合、なんでそんな急ぎの仕事をしねくてはならないのかという訳だ。
 そしてプロジェクトからはずされる。
 作者は陶子をどんどん困らせる。
 これが陶子の心情その2。

 陶子の心情その3は「現代公論」の記事の内容だ。(これはハジメの意図したものではなかったが)ほとんど暴露に近い内容に陶子は激怒。

 そして心情その4は息子の事故。
 怪我をした息子のことがつらいと同時にハジメからは「妻失格」ばかりでなく「母親失格」を宣告される。
 ハジメに対する怒りで家を出た陶子が、今度はハジメに怒られることに。
 この180度変わる状況。
 作者はどんどん陶子の心情を揺り動かしていく。

 そして留めはQ&Aサイトのハジメの書き込み。
 轟(沢村一樹)に言われて、ハジメの書き込みを見た陶子は、ハジメの真剣な苦悩を知る。
 自分のしてしまったことの重大さを知る陶子(心情その5)。
 おまけに「NO NAME」で出した書き込みにハジメから返事。
「自分は他の男に抱かれた妻を永遠に許せない」
 これでハジメや息子の所に永遠に戻れないと思う。(心情その6)
 
 60分という時間の中でこれだけ人物の心情を描くのは珍しい。
 息子の事故や偶然、現代公論の記事のことを知ってしまうくだりなどはいささか強引さを感じるが、トータルで陶子のつらさ・孤独が伝わってくる。
 揺れ動く陶子の心情(=陶子の弱さ)が伝わってくる。
 この気持ちを様々に揺り動かす(今回は何と6回!)という人物の描き方は覚えておきたい。

 さて作品全体としてはそろそろまとめに入るのかと思っていたが(例えば、息子の事故がきっかけでヨリを戻すみたいな)、作者はさらにふたりの溝を大きく広げた。
 果たして最後をどの様にまとめあげていくのか? 



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 闇に蠢く 江戸川乱歩 | トップ | ゆれる »

コメントを投稿

ホームドラマ」カテゴリの最新記事