平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第25回「篤太夫、帰国する」~まことのいくさはこれからでございます。わしら商人の戦いは

2021年08月24日 | 大河ドラマ・時代劇
 すごく見応えがあった。
 
 謹慎していた慶喜(草彅剛)は髪が乱れ、髭がぼうぼう。
 成一郎(高良健吾)が「上様の汚名、必ず晴らします」と叫んでも無言。
 慶喜の心中やいかに?
 おそらく朝敵になったショック。
 そして、全面戦争になることを避けるための行為だったのに理解されない悔しさ、虚しさなんだろうけど。
 慶喜の心は完全に空虚になってしまった。
 これは次回、篤太夫(吉沢亮)との会話で明かされそうだ。

 彰義隊が決起。
 成一郎たちも決起。
「今は黙す時にあらず! 身命を賭して上様のご無念を腫らすのみ!」

 渋沢平九郎(岡田健史)は壮絶な最期。
「御旗本、渋沢篤太夫が嫡男、渋沢平九郎!」
 銃で撃たれて、
「……花と散る」

 川路聖謨(平田満)は病の床の中、拳銃をくわえて自害。

 小栗忠順(武田真治)は切腹。
 切腹の際、話すことはないか? と問われると、口を開けて、舌の上のネジを見せる。
 このネジに込めた意味は何だろう?
 これからは殖産と富国の時代なんだ、という意思表示か。

 天璋院(上白石萌音)と和宮(深川麻衣)は徳川家を残すために嘆願。
 天璋院は西郷吉之助(博多華丸)に、和宮は岩倉具視(山内圭哉)に嘆願書を書いた。

 一方、部隊は箱館に移って、土方歳三(町田啓太)と成一郎が遭遇。
 土方は成一郎に言う。
「さあて、いくさをするか。もうひとりの渋沢よ」

 抜群の躍動感だな。
 幕府の悲劇を通して、今までの伏線をすべて回収した。
 登場人物の思いが表明され、それぞれの見せ場がつくられた。
 役者さんにとって見せ場が用意されているって、やりがいがあるよな。
 ナレ死はちょっと寂しい。

 一方、こんな思いも。
 長七郎(満島真之介)いわく、
「兄ぃ、俺達は何のために生きたなんべな」
 成一郎や土方のように「汚名を晴らすために」「徳川のために」戦える方が幸せなのかもしれない。
 長七郎は完全に「死に場所」「生き場所」を失ってしまった。
 長七郎の物語は続く。
 長七郎の物語を忘れずに、しっかりと描く作家さんの姿勢に拍手だ。

 そして篤太夫。
 三井の番頭・三野村利左衛門(イッセー尾形)と遭遇。
 利左衛門は財政不足の維新政府と政府が発行する太政官札に信用がないことに触れて、こう語る。
「まことのいくさはこれからでございます。わしら商人の戦いは」

 カッケー。
 最後にガツンと決まったな。
 徳川家の悲劇の中、篤太夫が見出したのは『商人の戦い』!

 ラストの締め方といい、密度の濃い内容だった。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 横浜市長選で自民党惨敗!~... | トップ | パラリンピック開会式、楽し... »

コメントを投稿

大河ドラマ・時代劇」カテゴリの最新記事