ラブコメの名作「めぞん一刻」の物語のパターン、基本構造はこうである。
1.ある事件が起こる。
2.それを一刻館の住人や恋のライバル三鷹さんが邪魔をしたり、誤解が生じたりする。
3.邪魔や誤解がどんどん発展していく。
4.そしてオチ、心のふれあいなど。
例えば、第16話「桃色電話」ではこうなる。
1.大学で人形劇クラブに入ることになった五代くん。
2.五代くん宛にクラブの女の子から頻繁に電話がかかってくる様になる。
ちなみに一刻館の電話は響子さんだけの管理人室だけにある。
3.この電話に対し、響子さんは「女のお友だちがたくさんいるんですね」と五代くんに皮肉。
五代くんのガールフレンド・七尾こずえちゃんからも電話がかかってきて、
「あの女(ひと)からの電話です」と五代くんに電話を取り次ぐ。
何度も取り次いでもらって恐縮する五代くん。
「かまいませんわよ。仕事ですから」と平静を装う響子さんだが、五代くんが管理人室から出て行くと「なによ、あの色ガキ!」と編み物の毛糸を投げつける。
4.五代くん、こずえちゃんとお茶を飲む。
コンタクトレンズにゴミが入って涙を流すこずえちゃん。
これを目撃した一ノ瀬のおばさんが勘違い。
5.一ノ瀬のおばさん、「痴話ゲンカを見てしまった」と響子さんに報告。
「五代さんが誰とつき合おうと私には無関係です」と平静を装う響子さんだが、リンゴを芯までむいてしまう。
6.一ノ瀬のおばさんが響子さんに報告したことを、おばさんの息子の健太郎から聞く五代くん。
「痴話ゲンカだと~!おれの清純なイメージがくずれていく」と五代くん焦る。
五代くん、何とか響子さんに事情を話そうとするがすれ違って言えない。
7.共同のピンク電話が設置される。
響子さん、「管理人の仕事として電話を設置した」と五代くんに説明するが、表情は嫉妬でいっぱい。
五代くんも「わかんない女(ひと)だな」と怒るが、響子さんも「どーせ私は意固地な後家です」と反論。
8.管理人室に鳴る電話。
響子さん、「どうせまた五代さんにだわ」と電話に出ないが、電話は鳴りやまない。
やっと電話に出ると五代くんからである。五代くんは事情を話す。
「ぼく、大学でクラブに入りました。女の子からの電話はクラブの連絡です。
それから喫茶店でこずえさんが泣いたのは……」
説明を聞いて笑顔になる響子さん。
クラブの女の子から電話がかかってくるようになったことをここまでのドタバタ喜劇にふくらます高橋留美子先生は短編の名手である。
ちなみにこずえさんがコンタクトのゴミで涙を流す喫茶店のシーンではこんな仕掛けを施している。
響子さんと同じ屋根の下で暮らしている五代くんにこずえちゃんはこう言うのだ。
こずえ「たまにへんな気分にならない?」
五代「そりゃまあ……」
こずえ「なるでしょう?」
五代「そりゃあね……(本音で)いつもじゃ」
こずえ「だろうな……美人だしスタイルもいいし……」
泣き出すこずえ。
これで五代くんも自分が泣かせたと勘違いしてしまうのである。
一ノ瀬のおばさんが勘違いするのも無理はない。
たった18ページのテキストだが、学ぶべき内容はいっぱい詰まっている。
★研究ポイント
ひとつの事件が雪だるま式に大きくなっていくのがコメディ。
「電話」という小道具の使い方も見事。
1.ある事件が起こる。
2.それを一刻館の住人や恋のライバル三鷹さんが邪魔をしたり、誤解が生じたりする。
3.邪魔や誤解がどんどん発展していく。
4.そしてオチ、心のふれあいなど。
例えば、第16話「桃色電話」ではこうなる。
1.大学で人形劇クラブに入ることになった五代くん。
2.五代くん宛にクラブの女の子から頻繁に電話がかかってくる様になる。
ちなみに一刻館の電話は響子さんだけの管理人室だけにある。
3.この電話に対し、響子さんは「女のお友だちがたくさんいるんですね」と五代くんに皮肉。
五代くんのガールフレンド・七尾こずえちゃんからも電話がかかってきて、
「あの女(ひと)からの電話です」と五代くんに電話を取り次ぐ。
何度も取り次いでもらって恐縮する五代くん。
「かまいませんわよ。仕事ですから」と平静を装う響子さんだが、五代くんが管理人室から出て行くと「なによ、あの色ガキ!」と編み物の毛糸を投げつける。
4.五代くん、こずえちゃんとお茶を飲む。
コンタクトレンズにゴミが入って涙を流すこずえちゃん。
これを目撃した一ノ瀬のおばさんが勘違い。
5.一ノ瀬のおばさん、「痴話ゲンカを見てしまった」と響子さんに報告。
「五代さんが誰とつき合おうと私には無関係です」と平静を装う響子さんだが、リンゴを芯までむいてしまう。
6.一ノ瀬のおばさんが響子さんに報告したことを、おばさんの息子の健太郎から聞く五代くん。
「痴話ゲンカだと~!おれの清純なイメージがくずれていく」と五代くん焦る。
五代くん、何とか響子さんに事情を話そうとするがすれ違って言えない。
7.共同のピンク電話が設置される。
響子さん、「管理人の仕事として電話を設置した」と五代くんに説明するが、表情は嫉妬でいっぱい。
五代くんも「わかんない女(ひと)だな」と怒るが、響子さんも「どーせ私は意固地な後家です」と反論。
8.管理人室に鳴る電話。
響子さん、「どうせまた五代さんにだわ」と電話に出ないが、電話は鳴りやまない。
やっと電話に出ると五代くんからである。五代くんは事情を話す。
「ぼく、大学でクラブに入りました。女の子からの電話はクラブの連絡です。
それから喫茶店でこずえさんが泣いたのは……」
説明を聞いて笑顔になる響子さん。
クラブの女の子から電話がかかってくるようになったことをここまでのドタバタ喜劇にふくらます高橋留美子先生は短編の名手である。
ちなみにこずえさんがコンタクトのゴミで涙を流す喫茶店のシーンではこんな仕掛けを施している。
響子さんと同じ屋根の下で暮らしている五代くんにこずえちゃんはこう言うのだ。
こずえ「たまにへんな気分にならない?」
五代「そりゃまあ……」
こずえ「なるでしょう?」
五代「そりゃあね……(本音で)いつもじゃ」
こずえ「だろうな……美人だしスタイルもいいし……」
泣き出すこずえ。
これで五代くんも自分が泣かせたと勘違いしてしまうのである。
一ノ瀬のおばさんが勘違いするのも無理はない。
たった18ページのテキストだが、学ぶべき内容はいっぱい詰まっている。
★研究ポイント
ひとつの事件が雪だるま式に大きくなっていくのがコメディ。
「電話」という小道具の使い方も見事。
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