平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花燃ゆ 第26回「夫の約束」~人間のずるさを知らない、まっすぐな久坂の危うさ

2015年06月29日 | 大河ドラマ・時代劇
「あの人の心はまっすぐ国を思うております」
「ただまっすぐに御所を目指す!」

 実は〝まっすぐ〟ということほど、危ういものはない。
 もし〝まっすぐ〟に突き進んだ結果が、間違っていたらどうなるのか?
 その人間だけでなく、まわりの人間も巻き込んで、悲惨な目に遭う。

 久坂(東出昌大)のやっていることはそういうことである。
 そもそも久坂の間違いの第一歩は、下関で攘夷を決行したこと。
 これで惨敗したにもかかわらず、今度は国全体で攘夷にあたろうとしたこと。
 危ない。危ない。

 で、現在に目を転じれば、もうひとり同じような長州人がいる。
 安倍首相ね。
 首相の言動をプラスにとれば、おそらく安倍さんは〝まっすぐ〟に国のことを思っているのであろう。
 でも、安倍さんが間違っていたらどうするのか?
 日本国民全員がひどいめに遭う。
 権力をもったバカほど怖ろしいものはない。

 久坂はそれでも立ちどまって冷静に物事を考えられるようになりましたけどね。
 だが、時代の流れが加速してしまうと、もはや個人の力では止められなくなる。
 今回の久坂が良い例。

 久坂は人間というものを知らなさすぎる。
 公家の鷹司卿が命がけで長州を応援してくれるわけがないじゃん。
 多くの人間は情勢によって日和るもの。
 大事なのは自分だけで、保身や金で簡単に裏切るもの。
 久坂のように愚直でまっすぐな人間なんてほとんどいない。
 久坂は人間を信じすぎる。
 これは松陰の教えがまずかったね。
「至誠を尽くしても人は動かない。人間はずるい生き物である」
 松陰はこう教えるべきだった。

 文(井上真央)もね。
 彼女が求めるものが〝家族〟や〝子供たちが集まる塾〟だったら、久坂と結婚するべきでなかった。
 久坂とは価値観が違いすぎる。
 結婚するなら、兄・梅太郎(原田泰造)のような人物であろう。
 ここに文の悲劇がある。
 夫婦のドラマとして盛り上がらないのもこのため。

「世話ぁない」というのも最近、腹が立ってきた。
 何事も「世話ぁない」で済ませてしまうから悲劇が起こるのだ。
 問題の本質を突きつめて考え、解決しようとする。ダメなものはダメと言う。
 この態度こそが必要だと思うんだけどなぁ。
「世話ぁない」で考えることを放棄してはいけないでしょう。

コメント (2)
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