悪夢ちゃん 第8話～「みくびらないでください。子供が切り開く未来を勝手に暗くしないでください！」

　彩未（北川景子）は、他人の無意識の中に入ることが出来るようだ。
　今回は樋口杏奈（春名風花）の父親。
　無意識世界に導くのは夢獣。
　これは何を意味するのだろう？
　本来の彩未は＜他人の苦しみ＞や＜痛み＞に共感できる＜やさしい人間＞なのではないだろうか？
　杏奈の父親は自分の犯した罪に苦しんでいた。
　苦しんでいたから何とかしたくて、彩未は父親の無意識に入ることが出来た。
　そんなふうに考えたい。
　そんな裏設定があるように思える。

　今回は彩未の心の闇（＝友達の母親を殺したこと）の真相と共に、結衣子（木村真那月）との関係も明らかにされた。
　結衣子は彩未の子供時代の親友の娘であった。
　親友の娘であれば放っておけなくなるのも必然だ。
　親友のためにも苦しんでいる結衣子を助けたいと思うだろう。

　また、彩未もかつては＜予知夢＞を見ることの出来る子供だった。
　ここでも彩未と結衣子は重なる。
　かつての自分と同じ存在である結衣子。
　ここで結衣子に対する共感が始まる。
　彩未はかつての自分と同じ苦しみを結衣子に味合わせてはならないと考えたのであろう。
　志岐（Ｇａｃｋｔ）に利用されている結衣子を助けなくては、とも。
　ふたりは深い所で繋がっていた。
　だから結衣子が彩未に心の拠り所や助けを求めたのも必然であったわけだ。

　そして今回のサブ主人公の杏奈。
　彼女は父親が犯罪者になるという現実を乗り越えて「未来は自分の力で変える！」「世界のトップになってやる！」と宣言し、父親と母親にボルトのポーズを見せる。
　何と強くたくましい女の子！

　この杏奈の姿を見て、結衣子は何を思ったか？
　自分も自分の力で未来を切り拓いていかなくてはならないと考えたのではないか？
　彩未に頼るのではない自立。
　そして、予告でチラリとせりふがあったが、結衣子が自立して大人になった時、結衣子の＜予知夢＞の能力はなくなるのではないか？
　現に彩未も大人になって、＜予知夢＞の能力がなくなったわけだから。