平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒11 「棋風」~懐かしい気持ちになりました。彼女の将棋好きなんですよ

2012年12月06日 | 推理・サスペンスドラマ
 人は愚かで哀しいものなんですね。

 12年間の時田名人(竹財輝之助)に対する怒りと復讐の思い。
 実は犯人の勘違いと思い込みだった。
 12年前の時田の意図は、「あの子が弱くなると、面白くないから」だった。
 心理的に揺さぶって自滅させることではなかった。
 なのに犯人は、思い込みが募り、殺人まで犯してしまう。
 時田と腹を割って話してみれば解消できたことかもしれなかったのに。

 <思い込み>と<勘違い>、根拠のないことで12年という時間を無駄にし、人生を棒に振ってしまった犯人。
 何と愚かで、そして哀しいのだろう。
 しかし、それが人間なのだ。
 コンピュータとは違う所。
 右京(水谷豊)はそんな人間の有り様を<棋風>に例えてこう表現する。
「棋風は指す人のクセやこだわり、信念が表れる。自らの棋風からは逃れられない」
 誰もが<自分>にこだわり、<自分>に振りまわされて生きている。
 <自分>にこだわり過ぎた結果、犯人のように罪を犯すこともある。

 人間関係は、自我と自我のぶつかり合いである。
 だから、ディスコミュニケーションとなる。
 若き日の犯人と時田のディスコミュニケーションがいい例だ。
 しかし、人は時として理解し合える。
 電脳戦で、犯人が打った49手目。
 時田は、その49手目が犯人の手であることを認識していた。
 認識して、「なつかしい気持ち」になったという。
 犯人と時田は日常生活ではディスコミュニケーションだったが、将棋を指している時は豊かなコミュニケーションが出来た。
 ふたりの関係は<将棋>を通してのものだったが、こういうコミュニケーションの仕方もある。
 人は理解し合える。
 これが今回の作家さんが描きたかったメッセージなのだろう。

 最後に、右京さんの犯人の特定。
 ミステリードラマではこれが難しいのだが、今回は的確だった。
 犯人は<将棋の盤面を再現できる人物><将棋の盤面を一目見て記憶できる人物>。
 これが出来るのは、将棋に精通したあの人しかしない。

 伊丹(川原和久)たちより「一手先を読んで」捜査する右京さんって、事件でチェスや将棋を指しているのかもしれませんね。


 
コメント (4)
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