後白河法皇(松田翔太)との最後のすごろく。
すごろくの賽の目は7で、清盛(松山ケンイチ)の勝ち。
清盛は言う。
「もはや平安の世は終わりを告げようとしておりまする。これより先は武士同士が覇を争う世となりましょう。武士は、もはや王家の犬ではござりませぬ」
清盛は勝利したんですね。
時代は完全に<武士の世>になった。
後白河法皇も負けを認めた。
「さようか。もう、さような所までたどりついておったのか」
しかし清盛の役割は、頼朝(岡田将生)に橋渡しをする役割だった。
鎌倉に武士の都を造ろうとしている頼朝。
清盛の場合は厳島神社、頼朝の場合は鶴ヶ岡八幡宮。
同じ構想でありながら、清盛の厳島神社は遠く離れた地にある。
そして内裏の奥にあるのは帝の御所だ。
しかし、頼朝の鎌倉にはそれがない。
頼朝は<帝や朝廷の権威>など必要としていないようだ。
武士たちと自分が<御家人>として契約を結ぶ武士本位の体制づくり。
ここに頼朝の独創がある。
清盛は、この頼朝の都づくりを西行(藤木直人)から聞いて、自分の限界を知る。
帝や朝廷を頭に置かないことこそが<武士の世>だと覚る。
そして、清盛がかつて鳥羽上皇(三上博史)にしたように、頼朝は清盛に向かって矢を引いた。
これでジ・エンド。
清盛は頼朝に敗北したのだ。
もっとも、それは仕方がないこと。
清盛が道を切り拓き、新しい都を発想したからこそ、頼朝が発展させることが出来た。
時代が変わったことは、西行も語る。
堀川局との再会。
ここで「恋の歌を交わす雅な時代は終わった」と言って昔を懐かしむ。
あとは夫婦の物語。
高倉上皇(千葉雄大)と徳子(二階堂ふみ)。
「死んで気がかりなのは徳子、そなたじゃ」
「王家より平家より上皇様が大事にございます」
「上皇様だけが私の光る君でございます」
虚しく鳴らない笛の音に対しては
「何と美しい音色でございましょう」
脚本の藤本さんは、この時代に翻弄された夫婦にもしっかり見せ場を作った。
そして清盛と時子(深田恭子)。
「もうよいではございませぬか。あの「光らない君」がここまで上られたのです。これ以上の高望みはなされますな。気楽に参りましょう」
「気楽なことを」
「ひさしぶりに源氏物語を読みたくなりました」
絶望の中でのやすらぎの場。
いいシーンだ。
時子は『源氏物語』を読みながら、昔を思い出していたに違いない。
さて次回は最終回。
今回で、清盛の生涯の総括はある程度出来たように思われるが、さらにそれがどのように深め、描かれるのか?
すごろくの賽の目は7で、清盛(松山ケンイチ)の勝ち。
清盛は言う。
「もはや平安の世は終わりを告げようとしておりまする。これより先は武士同士が覇を争う世となりましょう。武士は、もはや王家の犬ではござりませぬ」
清盛は勝利したんですね。
時代は完全に<武士の世>になった。
後白河法皇も負けを認めた。
「さようか。もう、さような所までたどりついておったのか」
しかし清盛の役割は、頼朝(岡田将生)に橋渡しをする役割だった。
鎌倉に武士の都を造ろうとしている頼朝。
清盛の場合は厳島神社、頼朝の場合は鶴ヶ岡八幡宮。
同じ構想でありながら、清盛の厳島神社は遠く離れた地にある。
そして内裏の奥にあるのは帝の御所だ。
しかし、頼朝の鎌倉にはそれがない。
頼朝は<帝や朝廷の権威>など必要としていないようだ。
武士たちと自分が<御家人>として契約を結ぶ武士本位の体制づくり。
ここに頼朝の独創がある。
清盛は、この頼朝の都づくりを西行(藤木直人)から聞いて、自分の限界を知る。
帝や朝廷を頭に置かないことこそが<武士の世>だと覚る。
そして、清盛がかつて鳥羽上皇(三上博史)にしたように、頼朝は清盛に向かって矢を引いた。
これでジ・エンド。
清盛は頼朝に敗北したのだ。
もっとも、それは仕方がないこと。
清盛が道を切り拓き、新しい都を発想したからこそ、頼朝が発展させることが出来た。
時代が変わったことは、西行も語る。
堀川局との再会。
ここで「恋の歌を交わす雅な時代は終わった」と言って昔を懐かしむ。
あとは夫婦の物語。
高倉上皇(千葉雄大)と徳子(二階堂ふみ)。
「死んで気がかりなのは徳子、そなたじゃ」
「王家より平家より上皇様が大事にございます」
「上皇様だけが私の光る君でございます」
虚しく鳴らない笛の音に対しては
「何と美しい音色でございましょう」
脚本の藤本さんは、この時代に翻弄された夫婦にもしっかり見せ場を作った。
そして清盛と時子(深田恭子)。
「もうよいではございませぬか。あの「光らない君」がここまで上られたのです。これ以上の高望みはなされますな。気楽に参りましょう」
「気楽なことを」
「ひさしぶりに源氏物語を読みたくなりました」
絶望の中でのやすらぎの場。
いいシーンだ。
時子は『源氏物語』を読みながら、昔を思い出していたに違いない。
さて次回は最終回。
今回で、清盛の生涯の総括はある程度出来たように思われるが、さらにそれがどのように深め、描かれるのか?