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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

監査法人

2008年06月29日 | 職業ドラマ
 面白い。
 この作品と比べると「CHANGE」は内容スカスカだ。

★例えば作品中で語られる言葉。
「人間は裏切るが金は裏切らない」
「人間を信じたから裏切られることがあるが、救われることもある」
「金儲けだけが目的なら何も悩まない。そこに友情とか理想とかが絡むから悩むようになる」
 語られる言葉の豊かさが作品の豊かさであるとも言える。

 「CHANGE」と比較してしまうが、「CHANGE」で語られる言葉とは、例えば
「相手は自分とは違うんだ、同じ人間なんていないんだ」
「政治は知りませんが、小児科医が足りないことは知っています。同じ気持ちの人間が協力し合わないのはおかしいです」
 設定上仕方がないのだが、朝倉総理の言葉はやはり小学生の先生の言葉。
 朝倉総理の言っていることは正論なのだが、現実を生きている人間には「そうは言うけどね」と反論されてしまう。

★人物の葛藤も「監査法人」の方が深く描かれている。
 ジャパン監査法人の吉野(勝村政信)は葛藤する。
 東都銀行の監査。
 明かな粉飾決算。
 しかし粉飾を公にしてしまえば東都銀行は破綻。
 それは東都銀行に関わる者すべてに被害をもたらす。日本経済にも影響を及ぼす。
 結果自殺者まで出てしまう。
 では粉飾を公にしない方がいいのか?
 こんな考え方もある。
『公にしないことは問題の先送りではないのか?病気をさらに重くすることではないのか?先送りにすることがこの国のためになっているのか?』

 公にするかしないかで迷う吉野。
 ドラマになっている。
 一方「CHANGE」の朝倉総理。
 彼は悩まない。自分の考えは揺るがず抵抗勢力を説得、排除していくのみ。
 彼はスーパーヒーローなのだ。
 製作側は悩まない主人公というのは深みに欠けると思ったのか、今回主席秘書官である理香の転身・裏切り?というドラマを作った。
 だがそれはドラマとしてあまりにも薄っぺらい。
 現実を生きている人間には「転身・裏切りなどが当たり前なのが現実」「そんなことで失踪?」と鼻で笑われてしまうだろう。
 朝倉総理には総理大臣ならではのもっと別のことで悩んで欲しい。
 「監査法人」の吉野が公認会計士とはどうあるべきか?
 「ホカベン」の灯が弁護士とはどうあるべきか?で悩んだように。


コメント
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