秋満さんとのステージは、これまでエムズでお聴きいただいた
演奏の中でもひときわ力強いものでした。
何に力を感じたか?
秋満さんのピアノソロメドレー:
You and The Night and The Music
Twilight Time
My Melancholy Baby
If I Could Be With You One Hour Tonight
Dancing in the Dark
Cocktails For Two
Time On My Hand
Deep Night
お気づきですか?夕暮れから深夜までの男女の気分を歌った
粋な曲目で構成されています。
秋満「全部3分ずつ弾くとタイヘンだからね、1コーラスずつ弾きます。
曲が変わるところでウィンクするから
曲名と短い説明を入れてちょうだい。」
というのでリストを渡され、譜めくりの人よろしくピアノの傍でアナウンスを。
秋「ジャズはアドリブだってのはビンボーな若いもんがやってたことで、
僕らが日比谷公会堂でガリガリやってた頃、すぐそばの帝国ホテルじゃきっと、
お金持ちがゆったりとこういうカクテル・ミュージックを楽しんでいたんじゃないかと
思うんですがね
」
「アメリカの音楽が好きで始めたわけですが、ジャズはテーマを崩して行くところから
始まる。もう今更それはたくさんだと思うわけです。おおもとのきれいなメロディーを
きれいに聴いていただいて、みなさんにもアメリカの美しい音楽のファンになって
いただきたいなと思っているんですよ
」
もうひとつのメドレーは
秋「今日はご婦人が多いということで、映画音楽から選んでみました。
曲名は言いませんから当ててください
」
(正解はCharade,Moon River,Fascination:
すべてオードリー・ヘプバーン主演の映画のシリーズです。
なんという粋さ加減
)
今回のコラボが決定したとき、私がぜひ秋満さんのピアノで
歌ってみたいと思ったのは
Last Waltz
Cheek To Cheek
We'll Meet Again です。
秋満さんの「黄金の左手」が'Last Waltz'の間奏のメロディーを奏でるのを聴きつつ、
涙ぐむオールド・ファンの方々も・・・。私もなんだかグッときて、入りそびれそうに
なりました。
秋満さんが、自らマイクを持って、たくさんお話をしてくださったのも
うれしかったですし、こういう明確な意志とエネルギーを持って演奏する、
ということに「我が意を得たり」と思うところも正直あったのですね。
音楽にひたむきな演奏家の輝きは不滅です。
同じステージに大先輩たちが快く参加してくださることの力と、それを喜び、
楽しんでくださるファンの力とが、ライブの音楽を生き続けさせるのだと、
体で感じたステージでした。