桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・3・19

2009年03月20日 | Weblog
午後一番で中目黒にあるウッディシアターにお客さんのシルバーモデルMさんが出演している芝居を見に行く。上演時間二時間十分と聞かされ、途中絶対寝てしまうのではないかと恐れていたが、徹底的な大衆演劇路線で飽きることなく最後まで芝居を見ることが出来て安堵する。それより初舞台とは思えないMさんの堂々たる演技ぶりにびっくり。一流会社を定年後にシルバーモデルに転身するというMさんの人生に対する大胆さが演技にも現れていた。Mさんもこれに気をよくして芝居することに病み付きになるに違いない。終演時間が四時半近くになった為、Mさんに挨拶して慌てて劇場を後にする。店は早い時間に女性編集者のYさんが来店。今日は幸先がいいと思ったけど、それからはさっぱり。連休前だというのに嫌なムードになったが、イチゲンの男性客二人が入ってきたのをきっかけに、高校の同級生O君たち、脚本家志望のKさん、四月に斉藤ネコさんのライブをプロデュースする女性歯科医のSちゃん、広尾時代セミ常連だった元S女子大生で今は信託銀行に勤めるW、制作会社Wの女性プロデューサーYと演出家のOさん、同じ会社のIさんたち、女性脚本家のM、テレビAのKプロデューサーたち、隣のビルに住むイチゲンの女性客Sさん、プロデューサーのKさん、映画監督で教育評論家のHさんたち、名古屋のCテレビの製作部長Sさんと近所の制作会社の演出家Hさんなどで、お客さんはカウンターから溢れ、イベントスペースと控室、更にはスタンディングまで出る盛況となる。最後は女優のKさんとWが残って四時過ぎまで。明日は休日だから、まぁ、いいか。

2009・3・18

2009年03月19日 | Weblog
テレビを点けたら、お昼の長寿番組『W』にゲストとして出演している料理人Mさんのふっくらとした顔が映し出された。その途端、時の流れをしみじみ感じてしまう。25年前、Mさんと初めて会ったのは、俺が時々通っていた四谷の小さな寿司屋だ。そこで彼はタンパク質は味見や試食で取りすぎているからとカッパ巻きばかり食べながら、痩せて何処か険しさを漂わせた顔で自分の料理哲学を朴訥に語っていた。俺はその話に感銘を受けて、それから学習院初等科近くにあった彼のレストランに通うようになった。彼の料理は素材を存分に生かした独創的なもので、料金は安くなかったけど、その価値は十分あるものだった。それからしばらくしてMさんは色々なマスコミでも取り上げられて、カリスマ料理人になり、お店も四谷だけでなく、全国展開をするようになっていった。それに比例するように天の邪鬼な俺は彼の店から足が遠のいて行ったが、Mさんは今も寿司屋でカッパ巻きばかり食べているのだろうか?あの店の味は以前と同じ質を保っているのだろうかと、彼のふっくら穏やかな顔を見ながら思っている内に、何故か食事の用意をするのが嫌になってしまい、Mを誘って近所のポルトガル料理の店にランチしに行った。別にポルトガル料理でなくてもよかったのだけど、Mさんの店で初めて食べた料理の様に見知らぬ味を食べてみたくなったのだ。でも、ランチタイムだったからか、メニューには魚介類のリゾットとか鶏肉ときのこのソティとかよくある料理しかなく、俺の欲望は満たされることがなく、俺は仕方なく店を出ると、近所のスーパーで鰯を買い込み、様々な香草とニンニクと唐がらしとオリーブオイルで見知らぬ味を求めて鰯の包み焼きに挑戦した。レシピがある訳じゃなかったからどんな味になるか分からなかったが、食べてみた時の「見知らぬ味覚」は俺を充分満足させた。穏やかでふっくらとしたMさんをテレビで見たお蔭で、俺の料理心がちょっぴり刺激されたのかもしれない。

2009・3・17

2009年03月18日 | Weblog
スーツ姿のANを見るのは一年ぶりだ。一年前、それまで勤めていた外資系証券会社をやめて、趣味で続けていた居合術をする他は四国でお遍路さんをしていたANは、たまに店に顔を見せてもラフな格好だったからだ。それがスーツ姿ということは?想像どおり一年間の浪人生活に別れを告げて会社員生活に戻ったとのこと。これじゃ何の為にお遍路を続けていたか分からないというANだけど、この一年のムダは将来絶対トクになる筈。このANのことを、銀座からの帰宅途中ふと思い出して店に寄ってみたという悠々年金生活のSさん、店に入ってみたらそのANの姿があったもんだから、感激する。映画プロデューサーのNさんも一年ぶり以上に会ったANとお喋りの華を咲かせる。それほどまでにみんなに愛されているAN。色々辛いことがあったかもしれないけど、昔みたいにいつウチの店に来てもANがいて、「色っぽい」仕草でみんなを誘惑してほしいものだ。他にお客さんは大手広告代理店HのIさんとTさん、プロデューサーのKさん、スポーツトレーナーのOさん、制作会社社長のHさん。二時前店を出る時、部屋で食べるつもりでカレールーをタッパーに入れて持ち帰ろうとしたら、つい三人前入れてしまう。Yちゃんが広島に帰ってまた二人の生活に戻ったというのに、しばらくは三人前の食事を用意してしまう癖が残りそうだ。

2009・3・16

2009年03月17日 | Weblog
朝起きたら、Mが気持ち悪くて胃が痛いと云う。ウチにある胃薬を飲まそうとしたら錠剤じゃないと飲めないと云うもんだから近所の薬局へ薬を買いにいく。薬を飲む前に何か食べないといけないと云うのでお粥を作って食べさせ、11時半には店へ出向く。今日のイベント『もちづきる美のトークライブ』のスタッフに音響と照明その他の説明と打ち合わせをしてから銀行へ。窓口で消費税60万円弱を漸く払うことが出来た。酒屋その他の振込50万円もして、おかげで通帳は五桁に。買い物をして一旦帰宅。本当ならMが見送る予定だったのだが、具合が回復しないので、俺が代わりに広島に帰るYちゃんを品川駅までバスで送っていく。16才のYちゃんと二人きりの「旅」は彼女もそうだろうが俺としてもかなり緊張。品川駅のカフェテラスでYちゃんはオムライス、俺はカレーライスを食べている間も、会話は途切れ途切れ。まぁ、61歳のオヤジと16歳の少女の会話が弾んでいたら却って怖い。新幹線に乗り込むまで見送って、今度は「姉」の待つ部屋へ大急ぎで帰る。具合はまだよくならない様子だったので、最悪店を一人でやる覚悟を決めて、日記を書いた後、再び部屋を出る。六本木と赤坂で仕入れして、店で開店準備。でも、幸いなことに病院に行って診察して貰ったMが痛み止めのお蔭で店に出てこれたので、開店早々来店してくれた映画やテレビで大活躍の中年個性派俳優Hさんたちや映画監督で教育評論家のHさんたちの応対や、80以上もあったドリンクとフードのオーダーもこなすことが出来た。他にお客さんは写真週刊誌のバイトからラジオのDJに復帰するYちゃん、関西の女性プロデューサーTさんと実業家のBさん、マネージャーのHさんとBS放送のSさんたち。12時で全員帰ったので、体調のよくないMを先に引き揚げさせ、俺も後片付けが終わったら帰ろうとしていたら、1時過ぎに近所の宝石デザイナーのAさんが久しぶりに一人で来店。共通の知人の噂話などで盛り上がって結局3時まで。後片付けをして店を出たのは3時半すぎになっていた。こうして書いてみると、今日は何とバタバタ動き回った一日だったことよ。

2009・3・15

2009年03月16日 | Weblog
今日は三週間ぶりの完全休日。日曜日にしか時間的に処理できない問題がいくつも溜まっているけど、Yちゃんが東京最後の日と云うこともあって、仕事は忘れてのんびりすることにした。と言っても遠出は避けて、この数週間映画にご無沙汰だったので、食事をした後、三人で近所の六本木シネマへ。お客さんのカメラマンSさんから貰った前売り券で『ジェネラルルージュの凱旋』を見る。同じスタッフキャストによる『チームバチスタの栄光』は俺的にイマイチだったので、あまり期待しないで見たのだけど、最近のテレビ局が制作する映画の中では抜群の面白さ。原作は知らないけど、斉藤ひろしの脚本は隅々までに伏線を張りめぐらせて圧倒的エンターテイメントに仕上がっている。この映画はテレビ放送時やDVDでみたら、多分細かい伏線を見落として余りよくない印象を持ったかもしれない。映画館で見ることが出来たことに感謝しよう。終わった後、MとYちゃんと焼き鳥屋へ。16歳の少女も友達と映画をみた後はマック辺りでお喋りするのだろうし、俺も16歳の少女と映画の感想を喋りながら焼き鳥を食べるなんて初めて。二人にとって貴重な体験だ。でも、Yちゃんの20日間に及ぶ「東京短期留学」も今日が最後の夜。Yちゃんは何か将来への足掛かりを掴むことが出来たのだろうか?

2009・3・14

2009年03月15日 | Weblog
ウチみたいな流行ってないお店に来るお客さんは,次のお客さんが来るまで飲み続ける覚悟が必要だ。別に店は帰っちゃいけないと引き止めている訳ではないのだけど、なかなか帰りづらいのだ。今日も六時すぎに来店してくれた若い女性バイオリン奏者のMさんは、仕事帰りでお腹が減ったので牡蠣カレーを食べにきたついでに軽く飲むだけのつもりが、いつまで経ってもお客さんが来ないもんだから、ついつい飲み続け、結局10時半すぎに次のお客さんである近所のネイルサロンのOさんとカナダに嫁いだTさんたちが来るまでいることになってしまった。すいません、Mさん。その後は週刊BのIさん、広尾時代からのお客さんであるTちゃんが友達を連れて来てくれて店らしくなったけど、12時までにはみんな帰ってしまったので、閉店。Mさんにつきあって日本酒を飲んで少し酔っぱらっていたので、そのまま何処かで飲みたくなって、部屋にいるYちゃんを連れ出してMと三人六本木の寿司屋にいく。カウンター初デビューのYちゃん、おまけに広島の三原には回転寿司しかないらしく、動かないカウンターにひどく緊張気味。そんな彼女を肴にしながら俺は日本酒を三合飲んで酩酊状態。アニメファンのYちゃんのリクエストでクレヨンしんちゃんや巨人の星の物真似をやるが、まったく似てないと失笑される。それはそれで結構楽しい六本木の夜。

2009・3・13

2009年03月14日 | Weblog
昨日で21歳になった息子に誕生日メールを送ったら、今肺に穴が空いて安静中との返信が来る。一瞬ドキッとするが、しばらくして若くて背が高い男によくある気胸ではないかと思い当たり、聞いてみたら案の定、自然気胸とのことで安心する。殆ど父親らしいことはやってないが、こんなことがあると父親っぽくなる。その父親の「病状」は花粉症も歯痛も痛風も今日は特別猛威を振るうことなく、穏やかな一日だった為、カウンターにきた近所の出版社のO君、有名女優と同姓同名の自主映画監督HK、美人OLのJ子ちゃん、五月に去年に引き続いてウチで芝居の公演するAちゃん、旦那の方が11才も年下なのに、同い年にしか見えないFさんご夫妻、このブログの愛読者で来店してくれたWさんたち、名古屋のCテレビのプロデューサーで、今度製作部長になったSさんと近所にある制作会社の演出家Hさん、フリーのプロデューサーのKさんたちと楽しくお喋りすることが出来た。因みに昨日の日記で書いたすき焼きの残りの汁で作ったカレー風味の石焼きビビンバ風を今日は四人に押し売り風に食べさせてしまったけど、ひどく好評。もう少し試作を続けてみよう。

2009・3・12

2009年03月13日 | Weblog
朝(九時過ぎ)寝てたらイエ電が鳴ったもんだからベッドから出て受話器をとったら、電話会社からで、ナンバーディスプレイの機能を割り安でつけるサービスキャンペーンをやっているとか言われる。イエ電はファクス以外に殆ど掛けないし、掛かってこないし、そんなもの必要ないというと、尚もどれ位安くなるかを説明しようとする。途端、こんなことで起こされたこともあってキレル。イエ電を始終使うと答えたならセールスする意味もあるだろうけど、殆ど使わないと答えているんだからそこでやめればいいだろ?マニュアルでもっと押せと教育されているのかもしれないけど、無意味だろが!馬っ鹿じゃないか?数日前にも店に金相場の会社から電話が掛かってきて、現金で銀行に預金していても意味がないから金を買いませんかと言われたもんだから、銀行の預金通帳に残金は殆どないし、それどころか会社は一千万以上の借金を抱えているから無理だと答えたのに、金相場は今値上がりしているし、絶対損はさせませんとしつこい。その辺りでキレタ。そういうなら、あんた、そのことを念書にした上で何百万か貸してくれよ。損させないと言い切るなら、何百万貸しても大丈夫だろ?と逆襲すると、いや、そう言われましても、相場というのは……と言い訳しようとするので、いい加減なセールスするなと怒鳴りつける。金がないって言っているのに、てめえ信じないのか?何だったら通帳のコピーをファクスするから番号を教えろっ!セールスが大変なことは分かる。でも、相手を見てセールスしろって。無意味なセールスはするなって。飲み屋の俺は酒が体質的に飲めない人間に、そんなこと云わずに美味しいから飲めって勧めたりはしないぞ。まぁ、そんなことでカリカリしている俺に、今日、カウンターに座った中年のお客さんが、隣でヘアメイクのKさんがすき焼きを食べているのを見て、ウチじゃすき焼きの残りにご飯を入れて、そこにターメリック(カレーパウダー)をかけて食べるんだけど、これが美味いんだとしつこい。普通だったら軽くあしらうのだけど、これはいけると美味い物好きの俺は閃いた。そしてすき焼きの汁が残ったKさんの鍋で早速やってみた。俺の直感は当たっていた。パエリアみたいな、石焼きビビンバみたいな食感。ホント美味いのだ。たったこれだけのことで、電話セールスでカリカリした気分は何処かに消えていた。

2009・3・11

2009年03月12日 | Weblog
男性客にもMのファンがいるのだろうけど、亭主の俺がそばで目を光らせているので、俺たちが夫婦であることを知らないか、人妻好きの男以外、口説いたり、食事に誘ったりはしない(というか出来ない)。だからか、Mのファンには女性客が目立つ気がする。特に自分にもMと同年配の娘がいたり、未婚でも母親年代の女性客は、Mと接していると母性愛が疼くのか、俺よりMと話したがる。今日で二度目か三度目の来店となるFさんもその一人。やたらとMの髪の毛の美しさを褒め、性格を讃えて、俺に同意を求めるもんだから、亭主の俺としてはどう受けていいのか分からず困ってしまう。そして一緒に飲んでいたS大学の同窓生であるJさんが経営する溜池の有名中華レストランに休みの日にいこうと誘う。一人で嫌だったらパパ(俺のこと)も付いてきていいからと、俺は完全におまけ扱いだ。他にも今日来店してくれた関西の女性プロデューサーTさんやH大使館のSさんたちもMのことを娘のように可愛がってくれる。それに法律事務所勤務のNさん、ベテラン新劇俳優のKさん、ベストワンのOさん、バイオリンニストのMさん、食品会社社長のBさん、プロデューサーのKさん、悠々年金生活のSさんたち、男性客や若い女性客もMと会話を弾ませている。こんなことを書いたりすると、俺が僻んだり、Mに嫉妬しているように見えるかもしれないけど、まぁ、どうにでもとってくれ。それより自分の妻がどんなに愛されているかをこうして日記に綴る亭主のアホ面よ。

2009・3・10

2009年03月11日 | Weblog
三十年以上前から知り合いの俳優Tさんが、ジョッギング散歩のついでに顔を覗かして、「桃井さん、今日は何か面白いことあった?」と聞く。うーん、特別ないけど、強いていえば、顔を覗かしたTさんが、こんな格好(トレーニングウェア姿)しているから、ギョーカイ関係者がいたら不味いなと恐る恐る入ってきたことか?さすが若い頃はダンディないい男として鳴らした有名俳優のTさんだと感心する。そのTさん、もう三ヶ月も禁煙しているとかで、肌の艶がよくなったとか、筋肉の動きがスムースになったとか禁煙の効果を喋り続ける。普通、50代後半の男はいくら禁煙の効果だからって肌の艶がよくなったとは自慢しない。そのことも面白いことに入るかな、Tさん。その彼に禁煙の効果を説かれていたSミュージックのIさん、去年も来店数11位の常連だけど、この店で隣にあるSミュージックの人間に出会ったことがないことを自慢?していたのに、今日は顔なじみではないけど、同じSミュージックの六人グループと、それとは別に五年前までSミュージックに勤めていたKさんたちに遭遇。深夜はSミュージックの色が濃い店になってしまって、居心地がよかったか悪かったか、それも面白い出来事の一つか?そして、その六人グループが飲んで食べて、彼らだけで四万以上の売上になったんだけど、彼らが引き揚げたのが四時過ぎになった為、俺が店をでたのは四時半過ぎ。それがちょっと辛い出来事か?