淀四自然耕バケツ稲2007
昨日はとても暑い日でしたので、屋上のバケツ稲が気になっていました。
バケツ稲の中を覗いてみると、幾つかの水が干上がっていました。全部を確認しながら水やりをしました。1つは苗が枯れていたので、新しい苗と植え替えました。
これからは稲の成長に合わせて、10㌢前後の深めの水位にすれば、水枯れを防ぐのに役立ちます。
親子スポーツの時間を利用して、5年生の二人と、担任の先生も一緒に屋上の「バケツ稲」の世話をしました。水やりと防鳥ネットの仮設置も行い ました。苗の時から防鳥ネットを付けなければならないのは、カラスがイタズラをして苗を抜いてしまい、苗の成長に影響が出るからです。この後は、支柱を立てれば完成します。今年は、木製ではなく園芸用のU字支柱を準備しています。これにより、設置と撤収が簡略化されます。また今年は、断熱用に使う木製のスノコも、発泡スチロール板に交換しました。
中央の苗が今回植えた「自然耕の苗」です。両側は、昨年の古株です。古株からは、新しい葉が伸びています。こぼれ種もみなのか、古株の根が生きていたのか、強い生命力を感じます。あえて刈り取らずに、どのように成長するのか観察しましょう。
朝から雲行きが怪しく、時折小雨がぱらつきあいにくの空模様です。5年生の担任の先生に連絡を取り、天候の様子を見ながら判断することになりました。
先ず、淀四ルームで5年生の皆さんに、苗や田植えについての説明を始めました。時々窓の外の雨の様子を見ていると、雨の止み間がありましたので、急ぎ屋上で田植えをすることにしました。田植えの間は、何とか天気がもち無事に終わりました。
田植え後、再び淀四ルームに戻り、休憩後、説明を再開しました。
今回は、種もみ→苗→バケツ稲→淀四自然耕田んぼ→農家の自然耕田んぼ→地球環境、というイメージの流れで資料を作成し、説明を行いました。
家に戻り暫くすると雨が本降りになってきました。関東地方も「梅雨入り」です。田植えが無事に終わり幸運でした。
琵琶湖周辺では、水を守る運動が盛んです。普通の田んぼでは、代かきの時期には水田から流れ出た酸素の少ない富栄養化した濁った水が河川から琵琶湖へ流れ込みます。自然耕の田んぼでは代かきや間断湛水しないため、濁水や栄養分・農薬で琵琶湖を汚染しません。
自然耕の田んぼでは、田植え後は食物連鎖のもとになる植物性・動物性のプランクトンがたくさん湧き、大量の藻類がCO2をたくさん吸収して光合成し、溶存酸素を多く含むクリーンな水を作ります。
自然耕の田んぼの収穫前の水抜きでは、このクリーンな水を琵琶湖へ流します。棚田を守り、ホタルや絶滅危惧種の昆虫などを守っています。
校庭に野生生物の生息空間「ビオトープ」を作る学校が増えています。その一方で、その自然空間をどのように守っていくかが課題となっています。
〔東京・昭島市立富士見丘小学校の事例〕
富士見丘小学校は、日本生態系協会が行っている「全国学校ビオトープコンクール」の入賞校の一つです。グラウンド南側に、緑豊かな約650㎡の「ふれあいビオトープ」が広がっています。児童・教職員・地域が連携してカブトムシを呼び寄せるためのクヌギやコナラを植えたり、池を掘って地域固有種の「昭島メダカ」を放したりしています。
しかし、その翌年の春、池を調べると、メダカはいませんでした。池が凍って死んでしまったようです。そこで、凍らないようにするため太陽光などを原動力とした水の循環システムを導入しました。今年の春は、校内の別の池からビオトープにメダカを放しました。
また、ビオトープに外来種の生き物が入ると生態系が崩れますから、家で飼えなくなったカメなどを池に入れないように、子供たちにも呼びかけています。
ビオトープ委員会の子供たちは、水温・水質、生き物調べ、空き缶などを拾い、メダカや色々な昆虫が住めるように活動しています。
〔日本生態系協会のコメント〕
学校ビオトープ作りは20年ほど前から始まり、現在は約1500校に広がっています。しかし、ビオトープに詳しい教師が異動し、引き継ぎがうまくできないという問題も起きています。広報担当者は「地域の人の協力も得ながら、未来の子供たちのために、という気持ちで守り続けてほしいですね」と話しています。
(参考:2007.6.9 読売新聞)
冬の間、水田に水を張っておくと、春の除草剤散布が必要なくなります。また、田んぼの水持ちも良くなります。このような田んぼを「冬季湛水水田」といいます。自然耕の田んぼで冬季湛水水田を実践すると、水鳥たちがやってきます。オオハクチョウ、コハクチョウなどがやってきて、湖と同じように湛水水田を生活の場に利用します。人と水鳥がお互いにとても近い距離で共に生活できる環境がそこにあります。
(参考:NPO法人メダカのがっこう資料)
(ECONESSNETブログ版・投稿共通記事)
佐渡・トキ保護センターではトキのヒナが次々と生まれ、将来トキを野に放し、大空を舞う姿を見る事が期待されています。しかし、トキが野生化して生きていくためには、安全で豊かな食べ物が得られる田んぼを再現するなど、多くの不可欠な課題があります。
佐渡島では、まだ多くの地域で農薬の空中散布が行われていますが、将来のトキの野生化を支える為に、平成13年、佐渡島で7件の農家の人たちが、トキの餌となるドジョウやタニシなどがたくさん増え、自然生態系がよみがえる自然耕に取り組み始めました。
(参考:NPO法人・メダカのがっこう資料)
(ECONESSNETブログ版・投稿共通記事)