校庭に野生生物の生息空間「ビオトープ」を作る学校が増えています。その一方で、その自然空間をどのように守っていくかが課題となっています。
〔東京・昭島市立富士見丘小学校の事例〕
富士見丘小学校は、日本生態系協会が行っている「全国学校ビオトープコンクール」の入賞校の一つです。グラウンド南側に、緑豊かな約650㎡の「ふれあいビオトープ」が広がっています。児童・教職員・地域が連携してカブトムシを呼び寄せるためのクヌギやコナラを植えたり、池を掘って地域固有種の「昭島メダカ」を放したりしています。
しかし、その翌年の春、池を調べると、メダカはいませんでした。池が凍って死んでしまったようです。そこで、凍らないようにするため太陽光などを原動力とした水の循環システムを導入しました。今年の春は、校内の別の池からビオトープにメダカを放しました。
また、ビオトープに外来種の生き物が入ると生態系が崩れますから、家で飼えなくなったカメなどを池に入れないように、子供たちにも呼びかけています。
ビオトープ委員会の子供たちは、水温・水質、生き物調べ、空き缶などを拾い、メダカや色々な昆虫が住めるように活動しています。
〔日本生態系協会のコメント〕
学校ビオトープ作りは20年ほど前から始まり、現在は約1500校に広がっています。しかし、ビオトープに詳しい教師が異動し、引き継ぎがうまくできないという問題も起きています。広報担当者は「地域の人の協力も得ながら、未来の子供たちのために、という気持ちで守り続けてほしいですね」と話しています。
(参考:2007.6.9 読売新聞)