緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

人の強さを感じるとき(3)

2007年12月11日 | 医療

緩和ケア外来に初めていらした頃も
再診の依頼があった頃も
悪くならないように細心の注意を払われていました。

とても大切なことではありましたが
いつも緊張状態でした。
ですから、怒りも焦りもありました。

今回、症状緩和を試み
週1回外来に通院される中
衰弱は進んでいきました。
ステロイドを増量し、何度となく
もうだめかと思いながらも2ヶ月間
ねばり続けることができました。


さすがに、外来通院はここまでと感じ
在宅訪問医との連携で
在宅中心にスイッチすることとなりました。

緩和外来にいらしたときも
ベットに横になってもらっていました。

「後2~3週間ですかね・・
 これも、しょうがないですね・・」


ゆっくりと微笑んでいらっしゃいました。

生への困難さにあらがうことをやめられた・・
そんな風に感じました。
人の弱さの中に真の強さを見たようでした。

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